ロサンゼルス郡の公衆衛生局は木曜日、幼い子供が麻疹に罹患し、そこから発生する極めて稀な合併症により死亡したことを発表しました。
この子供は、感染した時点でワクチン接種を受ける年齢には達していませんでした。
死亡の原因は亜急性硬化性全脳炎（SSPE）という致死的な進行性脳障害で、米国における麻疹感染者の約1/10,000が罹るとされています。
さらに、医師たちは、麻疹に罹った赤ちゃんの子供にとってはそのリスクが1/600に達する可能性があると考えています。
この病気は、初期感染から2年から10年後に発症することが多く、患者が麻疹から回復した場合でも進行することがあります。
病気は、発作、認知障害、無意識の筋肉けいれんから始まり、次第に痴呆、昏睡、最終的には死に至るまで進行します。
「米国のほとんどの小児科医は、麻疹のワクチン接種を何十年も行ってきたため、SSPEの子供を見たことがありません」と言うのは、ニューヨークの小児感染症専門医、アダム・ラトナー博士です。
ロサンゼルス郡公衆衛生局は、患者のプライバシー法により、子供の年齢や性別、場所についての詳細を発表できないと述べました。
ただ、子供がMMRワクチンの接種が可能になる前に麻疹を発症したことだけは確認しています。
このケースは、麻疹がいかに危険であるか、特に最も脆弱なコミュニティメンバーにとって痛ましい警告であると、郡の健康官マントゥ・デイヴィス博士は声明の中で述べました。
「接種できない若い乳児は、私たち全員がコミュニティ免疫を通じて彼らを守るために協力しなければならない」と警告しました。
一般的に、子供は12ヶ月から15ヶ月の間に最初のMMRワクチンを接種し、その後4歳から6歳の間に2回目の接種を受けます。
国際的な移動や国際的なハブを通過する赤ちゃんには、生後6ヶ月から11ヶ月の間に早期接種が推奨されています。
アメリカ疾病管理予防センターのガイドラインによると、生後6ヶ月未満の乳児はMMRワクチンを接種するには若すぎます。
非常に若い赤ちゃんは、妊娠中に得た抗体や、麻疹から守るための集団免疫に依存しています。
麻疹は、1971年にMMRワクチンが導入される前は、米国では毎年約400人の子供たちの命を奪っていました。
2000年に米国で麻疹は「排除」され、これは予防接種を受けた結果、発症のリスクが非常に低くなったことを意味しました。
過去25年間、米国の親は、乳児がワクチン接種を受けるまで集団免疫が彼らを守ってくれるという信頼できる基盤に頼ることができました。
しかし、この最近の死亡事例は、社会契約が崩れかけていることを示唆しているかもしれません。
米国全体で児童の免疫接種率は徐々に低下しており、COVIDパンデミック前の95%から、2023-24年度には93%未満に落ち込みました。
カリフォルニア州は、全米の5つの州のうちの1つで非医療的なワクチン免除を禁止しており、今年の接種率は96.2%でした。
カリフォルニア州はまた、幼稚園レベルの麻疹ワクチン接種率が有効な集団免疫を達成するために必要な95%を超える10の州の一つでもあります。
しかし、現在の接種率がこのまま維持されるなら、麻疹は今後25年以内に再び流行することになると、スタンフォード大学の研究者たちは今年発表した研究で指摘しています。
「今こそ、ワクチン接種率を上げるべきです」と、同大学の疫学および公衆衛生の助教授マシュー・キアンは、4月に《ロサンゼルス・タイムズ》に語りました。
「このまま接種率が維持されれば、20年以内に悪い結果が待っています。」
画像の出所：latimes