ニューヨーク市には、文化的なアトラクションが豊富に存在しますが、その中でも意外なスポットとして注目されるのが墓地です。
墓地は通常、故人を悼む場所として認識されていますが、ニューヨークの墓地は実は興味深いプログラムを提供していることで知られています。
これらのイベントは、故人への配慮を忘れずに行われるものであり、訪れる人々にも特別な体験をもたらします。
標準的な追悼式典にとどまらず、墓地ではサーカスのパフォーマンス、カタコームコンサート、夜間ツアー、星空観察なども楽しむことができます。
特にハロウィンの時期には、訪れるのにぴったりの場所となります。
ニューヨークの墓地は、恐怖感ではなく、美しいアートに満ちた場所であり、死者を偲びながら新しい体験ができる場所でもあります。
将来的に自分が墓地で過ごすことになった際、楽しみにしているのは墓石の間で響く生の音楽かもしれません。
市内には数多くの墓地がありますが、その中でも文化的なアトラクションとして注目されているのがブルックリンのグリーンウッド墓地とブロンクスのウッドローン墓地です。
両者は1860年代に設立され、独特の建築美を誇っています。
グリーンウッド墓地は特に、1860年代初頭には国際的な観光名所としての名声を確立しました。
その美しさと著名な「住人たち」により、年間約50万人が訪れ、当時の他の観光名所であるナイアガラの滝に次ぐ人気を誇りました。
現在も、グリーンウッド墓地は新たな訪問者を迎える方法を見つけ出し、そのゴシックアーチの下にはさまざまなイベントが用意されています。
秋の訪れとともに、グリーンウッドでは特別なイベントが企画されています。
まずは、10月1日から3日にかけて、カタコームで開催される音楽パフォーマンスが行われます。
チェリストのジェフリー・ザイグラーとダンサーのジョルジーナ・パズコグイン、ダイ・マツオカが共演し、パオラ・プレスティーニの「ハウス・オブ・ゾディアック」を演奏します。
チケットは80ドルですが、素晴らしいショーであることは間違いありません。
さらに、10月16日と17日には、夜間の大イベント「ナイトフォール」が開催されます。
このイベントでは音楽家、パフォーマンスアーティスト、サーカスアーティスト、ストーリーテラーたちが集まり、照明の中での特別な体験を提供します。
ナイトフォールのチケットは85ドルで、人気のためすぐに売り切れることが予想されます。
加えて、10月11日から11月16日までは「Día de Muertos」の祭壇が展示され、11月1日には無料の「死者の日」ファミリーセレブレーションも行われます。
また、グリーンウッドでは野球の偉人やゲイ・ゴシック、革命の精神、石に隠された秘密、フェミニズムと占いといったテーマのトロリーやウォーキングツアーも開催されています。
一方、ウッドローン墓地は1863年に設立され、当時のマンハッタンの人口過密状態によって外部墓地が重要視されるようになりました。
ウッドローンは、鉄道路線に沿った立地のため、マンハッタンからもアクセスが良く、多くの人が訪れる場所となりました。
最近では、ウッドローンは風景デザイン、建築、ステンドグラス、自然美などをテーマにしたウォーキングツアーやトロリーツアーを開催しています。
秋の特別なイベントもいくつか企画されています。
9月12日には、アマチュア天文学者協会による星空観察イベントが行われます。
このイベントは無料で、暗い天空の中で月や星、惑星を観察できる貴重な機会です。
地元の天文学者が望遠鏡を持参し、観察の手引きを行います。
また、9月28日にはバルデコバアンサンブルによるクラシック木管五重奏のコンサートが予定されており、こちらも事前登録で無料で参加できます。
そして、墓地の美しい墓石や彫刻を照らし出しながらのガイド付きウォーキングツアーは、10月17日と19日の夕方に開催されます。
これらのツアーは、灯りを持って墓地を巡る特別な体験となり、美術や歴史を深く探求する良い機会です。
ツアーは1名25ドルで、事前登録が必要です。
ニューヨークの墓地には、静かな時間を過ごすだけでなく、心温まる文化的な体験が盛りだくさんです。
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