フィラデルフィアの1805 Walnut Streetにオープンしたボロミーニは、開店前から話題を呼んでいた。
著名なレストラン経営者スティーブン・スタールが、先月20軒目のレストランをこの地にオープンし、2000万ドルの投資と、マーク・ラドナーやナンシー・シルバートン、キー・マクナリーといった著名なシェフとのコンサルティングを受けた結果、目を引く存在となった。
その立地の目立ち方も相まって、多くの人々がその動向を注視することは避けられなかった。
オープニングセレモニーは非凡で、キャピタルワンの協賛の元で開催され、元大統領のジョー・バイデンが開店後数日以内に食事を楽しんだというのだから、特に注目された。
フィラデルフィアのレストランシーンでは、より地元に根ざした飲食店が好まれがちなため、ボロミーニのような存在は特異である。
ボロミーニはその期待を裏切らないのだろうか。
スティーブン・スタールのフィラデルフィアにおける業績は計り知れず、1990年代にモリモトでキャリアをスタートし、パルクや新たなクラブスタイルのレストランLMNOなど、多数の名店を展開してきた。
彼は今や、国内各地にレストランを持つようになり、インスタグラム時代のレストランデザインにおいて視覚やサービス、体験が食事と同じくらい重要であることを広めた先駆者でもある。
数週間後、Eaterが開店後のボロミーニを訪れた。
レストラン内部は、明るく温かみのある雰囲気に包まれており、間接照明やボトルが並ぶ壁が心地よい空間を演出していた。
二階建てのスペースは、200席以上を有しながらも広々とした印象を与えず、まるで居心地の良いリビングルームのようだ。
かつてはバンズ&ノーブルが入っていた場所で、多くの人々が独特の印象を抱いていたかもしれない。
内装は、スタールの他の人気レストランパルクを彷彿とさせるが、むき出しのレンガや木製の梁がよりカジュアルな印象を与えている。
サービスもまた、スタールのレストランの強みの一つであり、ボロミーニにおいてもそれは変わらない。
バーテンダーやスタッフは、押し付けがましくなく、かつ効率的で注意が行き届いている。
ドリンクメニューはリーズナブルで、カクテルは20ドル以下であり、次々とサーブされていく。
特に魅力的だったのは、ミニマティーニで、ほぼ凍っているほど冷たく、夢中になってしまう。
その名の通り量は控えめだが、ボロミーニの他のマティーニと比べると大きく、また魅力的だ。
ネグローニもバランスが取れており、ワインリストには興味深いイタリアの品種が並んでいる。
料理では、特に目を引く二つの料理がある。
まず、フォカッチャ・ディ・レッコは、イタリアのレッコ地方に典型的な、バターの効いたクリスピーなクラッカーのような一皿で、ナンシー・シルバートンの名を冠した料理だ。
スタールはシルバートンとともにワシントンD.C.にレストランを経営しており、この一品をフィラデルフィアに持ち込んだ。
もう一つは、100層のラザニアで、マーク・ラドナーが有名にした料理の現代的なバージョンである。
このラザニアは肉なしで、フレッシュなパスタの層がベシャメルソースと明るいマリナラソースでコーティングされており、軽やかさがある。
ボロミーニのメニューには、その他にもアンティパスティやインサラート、パスタ、コンターニ、セコンドが勢揃いしているが、この二つの料理はフィラデルフィアの他のトマトソースレストランとは一線を画す存在だ。
そのほかに、ツナタルタルは味付けが薄く、ペースト状であったことに失望したが、揚げアーティチョークは塩味の効いたカリッとした食感に満足した。
フォカッチャ・ディ・レッコは(26ドル)二人でシェアするには大きく、一方、ミートボールは(27ドル)一つにしては高すぎる印象を受けた。
スパゲッティ・アル・リモーネ(21ドル)は脂っこく、期待外れであった。
パスタセクションにはローマのクラシックなパスタ3品(カルボナーラ、カチョエペペ、アマトリチャーナ)が紹介されている。
ボロミーニは、フィラデルフィアのパルクと同様に愛されるレストランになれるかはまだわからないが、価格はパルクより高く、一人二人の費用は274.16ドルに達した。
ボロミーニはまもなく朝食と昼食も提供する予定で、その点でもパルクに似た特性を持つ。
オープンの賑わいが去った後、ボロミーニは仕事帰りの一杯や、隠れ家的な平日ブランチ、あるいはゆったりとした昼食に良い選択肢となるかもしれない。
画像の出所:philly