中国がアメリカにとって最も重大な戦略的脅威であると考えられる中、アメリカがこの脅威に対処するために最も力を貸せるのは日本である。
しかし、トランプ大統領は日本からの輸入品に対して25%の高関税を課している。
この税率は、トランプ政権が課す10%の基本税率よりも高く、過去の政権下でのアメリカの平均関税水準のおよそ三倍にも達する。
両国は、トランプ政権の第一期中にアメリカ産農産物の日本市場へのアクセスを向上させるために貿易協定を締結していることも無視されている。
また、日本はアメリカのためにパトリオットミサイルを生産する工場を設立すると約束している。
さらに、アメリカ、イギリス、オーストラリアと協力しながら、中国への対抗策を講じるために韓国とも連携を強化している。
しかし、日本側の交渉者たちは、ワシントンでの交渉のために何度も訪れたにもかかわらず、空振りに終わっている。
日本への高関税の問題は、8月1日の締切前に合意が得られる可能性はあるが、見通しは明るくない。
著名な日本専門家であるイエスパー・コールによれば、日本は自国の扱いに困惑しており、これは与党・自由民主党の存在意義を損なう要因となっているという。
自由民主党は、今月20日に行われた参議院選挙で大きな敗北を喫したが、これは国内のインフレや移民に関する問題が大きいものの、アメリカの関税を回避できなかった政府の無力も一因と考えられている。
トランプの貿易に関する考えに精通した著名な関係者に日本との合意の可能性を尋ねたところ、日本の運命はトランプ大統領自身にかかっており、その決定の見通しは誰にもわからないとのことだった。
しかし、日本の交渉において悲観的な理由が二つ存在する。
第1に、トランプ大統領が輸入自動車に固執していることであり、日本が最も望んでいるのは自動車輸出に対する関税の引き下げである。
トランプが貿易を考える際に思い巡らせる3000のことの中で、自動車に関わる思考が3001個であると述べられている。
実際、この政権はすべての外国製自動車に対して25%の関税を課しており、イギリス以外の日本にはその例外が適用されていない。
もう一つの悲観的な理由は、トランプの日本に対する見方が1980年代と1990年代に固定されていることである。
その頃、アメリカと日本との間には経済的摩擦が常態化していた。
1987年にはトランプが、日本がアメリカを利用していると批判する全頁広告を主要新聞に掲載したこともある。
彼の記憶には、1985年のプラザ合意に続く出来事も刻まれている。
その合意により、日本円がアメリカドルに対してほぼ倍増したことで、アメリカの不動産が日本の投資家にとって魅力的に映った。
彼は自ら選んだ土地であるニューヨーク市のいくつかの選りすぐりの取引で、日本の投資家に出し抜かれた経験があるのだ。
トランプの記憶の一部は、自動車産業の著名人リー・アイアコッカとの友情から来ている可能性がある。
アイアコッカは、1979年から1992年までクライスラーのCEOであり、当時の国民的有名人でもあった。
彼はアメリカの自動車産業が日本に脅かされていると強く考えていた。
私は1984年から1985年にかけてウォール・ストリート・ジャーナルのデトロイト支局長であったが、その際にアイアコッカと数日間同行した経験がある。
彼のカリスマ性は素晴らしかったが、彼の考えには賛同できなかった。
ジャーナルは、デトロイトで自動車報道を指導するために、日本の理解が必要であると言って私を日本からデトロイトに送り込んだのだ。
アイアコッカたちデトロイトの反日感情を抱える人々は、日本による不正行為が原因で自社の市場シェアが失われたと信じていた。
実際には、日本の自動車メーカーはデトロイトの自動車よりも性能が優れており、アメリカの消費者たちは次第にその事実を理解していた。
また一時期、日本は輸入を制限していたが、今日ではドイツの自動車は市場で広く受け入れられている。
デトロイトは日本市場への取り組みをほとんど行っていないが、これは彼らの主力製品である大型SUVやピックアップトラックが、日本の消費者のニーズには合わないからである。
自由民主党が52%の関税を緩和できない場合、政権を失う可能性が高い。
その場合、後の政権はアメリカとの連携に対して積極的ではないかもしれない。
その可能性がトランプの決断に影響を与えるかどうかは、まだ不明である。
画像の出所:asiatimes