欧州連合(EU)は、ドナルド・トランプ大統領が設定した8月1日の締切に向け、米国との貿易協定を確保するために尽力しています。
トランプ大統領は、EUからの輸入品に30%の関税を課す方針を提案しています。
ポーランド経済開発・技術省のミハル・バラノウスキ次官は、EUが取り組んでいる4つの戦略について説明しました。
同時に、米国は30%の関税を来月から課す計画を改めて強調し、EUに対し合意を促す圧力を強めています。
少なくとも2週間を切った現在、EUは米国の貿易当局者との交渉を続ける一方で、合意が得られない場合の対抗措置を検討しています。
米国側は、EUが貿易協定交渉に「非常に熱心である」と述べています。ホワイトハウスの報道官カロリン・レビットは、EUが「長い間、我々の労働者や企業に害を及ぼしている関税や非関税障壁を下げる方法を探っている」と語りました。
レビット氏は、トランプ大統領が8月1日の締切を延期することは受け入れないと明言しました。
TACOとは「Trump Always Chickens Out」の略で、大統領が輸入関税を発表した後に、しばしばその発表を延期または引き下げる傾向にあることを示しています。
バラノウスキ氏は、EUが取っている戦略の第一の点は、米国当局者との誠実な交渉を行うことだと述べました。
「第二の点として、交渉が成立しない場合の対抗措置を準備することがあります。具体的には、鉄鋼およびアルミニウムの関税に関する対抗措置や、いわゆる相互関税の初期パッケージとして720億ユーロの措置を設けています。」
バラノウスキ氏は、CNBCの「ヨーロッパ早朝版」にて、次のように続けました。
「第三に、我々は他国との情報を交換しています。U.S.の関税の影響を受けている国々と必ずしも協調しているわけではありませんが、他の国々の状況について知るための情報を集めています。なぜなら、U.S.と交渉している他国も同じ状況にあるからです。」
「そして第四に、我々は欧州の競争力を強化するために取り組んでいます。」
バラノウスキ氏は、EUが米国にとって「最も重要な経済関係を代表している」と言い、ワシントンもまたこの関係から「得るものも失うものも同じくらいある」と指摘しました。
この発言は、EUの最高貿易交渉担当者マロシュ・セフコビッチ氏がさらに貿易交渉を進めるためにワシントンを訪問した後に行われました。
新たな米国の関税の導入はEUにとって大きな打撃となります。27か国から成るEUは、トランプからの輸出品に対する新たな全国的関税を課す手紙を回避するために合意に向けた暫定的協定を急いでいました。
米国とEUは、世界最大の二国間貿易および投資関係を構築しており、世界貿易の約30%を占め、世界の国内総生産(GDP)の43%を占めています。
EUと米国の貿易は昨年だけで1.68兆ユーロ(1960億ドル)に達し、1日あたり約46億ユーロの貿易に相当します。
トランプ大統領は、EUの貿易黒字についてしばしば不公平な貿易関係として非難しています。
EUは、U.S.-EUの貿易協定の推進の一環として、自動車の関税削減を提案する予定です。
この動きは、トランプ政権が自動車および部品に25%の関税を課したことに対応するもので、EUが米国の自動車輸出に対する10%の関税を撤廃し、トランプ政権が自動車部門の関税を20%未満に引き下げるという内容です。
この件について、EUの執行機関である欧州委員会は、CNBCからの問い合わせに対し、コメントを控えています。
画像の出所:nbcphiladelphia