ラスベガスで行われた移民抗議の際に撮影を行っていた二人が逮捕された事件が注目を集めている。
その際のボディカメラ映像は、その後の逮捕についての新たな情報を提供するものではなかったが、事件に関与した警察の軍曹の身元が確認された。
逮捕された一人、セサール・コラレスは、過去に警察との衝突を記録し、YouTubeチャンネルで公開している経歴を持つ。
コラレスとカーレン・マルティネスは、6月12日にラスベガスの中心部で行われた移民抗議に参加している最中に逮捕された。
彼らが撮影していると、一団の警察官が通り過ぎ、その中の一人が皮肉めいたコメントを発した。
コラレスはその発言に対し、「君たちの誓いを守れ、バカ野郎」と返答した。
すると、そのグループの後ろにいた警官が仲間に合図をし、彼らに逮捕を指示したという。
法的専門家は、この逮捕が違憲かつ報復的である可能性が高いと指摘している。
この出来事を記録した映像は、ソーシャルメディアで数百万回視聴され、拡散された。
マルティネスの弁護士であるスティーブン・スタッブスは、逮捕を指示した公式の名前をフレッド・オリヴェリ軍曹であると特定したが、メトロポリタン警察はその確認を行っていない。
その後、複数の情報源がオリヴェリが逮捕を指示したことを示しており、この事件は内部調査の対象となっている。
スタッブスは、彼のクライアントがFBIへの苦情を提出する手助けもしたと語った。
ラスベガス・レビュー・ジャーナル向けに公開されたボディカメラ映像では、警察官が地面に押さえつけられたコラレスを囲んでいる様子が映っている。
「彼が呼吸をしているか確認して」と誰かが言い、コラレスはうめき声を上げ、「抵抗するな」と告げられている。
「他に言いたいことはあるか?」という問いかけもあった。
しかし、ボディカメラ映像には、逮捕直前の「君たちの誓いを守れ」という発言は映っていなかった。
逮捕を担当したハンター・ホワイトフォード警官が作成した警察報告では、コラレスとマルティネスが解散命令に従わなかったとされているが、映像はその主張を支持していない。
オリヴェリは取材に応じておらず、メトロポリタン警察は彼のボディカメラ映像は存在しないと発表している。
コラレスの過去の行動については議論がある。
コラレスは2023年に、武器を用いた暴行で有罪判決を受けたことがある。
また、2013年には性的動機の強要で有罪判決を受けた他、2010年には警官を偽って名乗った疑いがかけられたが、こちらは進展がなかったようだ。
コラレスの過去はこの事件に関して重要かという問題が提起されている。
ラスベガス警察協会の代表であるスティーブ・グラマスは、コラレスの歴史について知らなかったとし、逮捕に関する映像には文脈が欠けていると述べた。
一方、コラレスの弁護士は、彼の過去の行動が逮捕の状況に与える影響はないと主張している。
「この国には自由な言論の権利があり、セサールの背景は、警官の行動が合法であったかどうかを考える上で無関係だ」と、コラレスを代表する弁護士マギー・マクレッチーは語った。
市民権専門の弁護士であるデビッド・オーウェンズも、コラレスの犯罪歴は関連性がないと同意している。
「犯罪歴があっても、第一修正の権利は変わらない」と彼は述べた。
さらに、仮に警官がコラレスのYouTubeチャンネルの存在を知っていたとしても、それは彼の逮捕の理由にはならない」とオーウェンズはいった。
「ここには明らかな文化的な問題がある」と彼は警察の行動を問題視している。
コラレスや他の人々が警察を批判し、抗議する権利があることは明白だ。」
画像の出所:reviewjournal