2018年4月、カウアイ島は記録的な豪雨をもたらす雷雨に見舞われました。この時、島内では24時間で50インチ以上の雨が降り、アメリカ合衆国の全国記録を更新しました。これにより、何百棟もの家屋が被害を受け、土砂崩れが発生して北海岸へのアクセスが遮断され、約1億8千万ドルの損害が生じました。
この経験を経て、カウアイ島では気候変動の影響に対する正式な対策計画が待たれていましたが、今夏末には「カウアイ気候適応計画」が完成する見込みです。カウアイ郡計画部の長期計画部門を管理するマリー・ウィリアムズ氏は、カウアイが気候変動によるさまざまな気象および気候災害、例えば悪天候や山火事の脅威にさらされていることを認識しています。
新しい計画は、郡がこうした危険に備えるための指針を提供するものです。ウィリアムズ氏と同僚のアリシャ・サマーズ氏は、この計画について詳細を説明しました。カウアイ島の住民に知っておいてほしい5つのことを以下に示します。
1. カウアイはどのように気候災害の影響を受けているのか?
2018年の雷雨は、カウアイがいかに気候災害に脆弱であるかを浮き彫りにしました。さらなる激しい嵐が予想されており、去年はカウアイでも山火事が発生し、一部地域では住民の住居が危険にさらされました。
ウィリアムズ氏によれば、このような気候変動による影響は、日常生活や文化的慣習の中でも微妙に現れています。特に、気候行動計画の策定過程で、リム(海藻)を栽培する実践者が、適切な成長を促すためにより沖合にまで出て行かなくてはならない事例が挙げられました。
2. 計画の主な優先事項は何か?
この計画には、今後10年間で採用すべき79の戦略が含まれています。その中から、郡が特に重視する10の戦略が選定されました。これらは、実施の難易度にかかわらず、最も大きな影響を持つ可能性のあるアクションです。
特に注目されるのは、侵食が進む沿岸地域から住民を移転させる「管理された後退」という戦略です。この施策は、住民からの反発を受ける可能性がありますが、サマーズ氏は現在の時点では、カウアイでの「管理された後退」プログラムは自発的であることを強調しました。
3. 計画にカウアイの気候影響を減少させる方法は含まれているか?
当初、この気候計画はカウアイが気候変動の影響にどのように適応できるかに焦点を当てる予定でした。しかし、住民からの要求により、郡が自らの温室効果ガスの排出を削減する行動も含めることになりました。
この戦略には、交通部門の電化を促進することが含まれ、これはカウアイの気候汚染の最大の原因であるとされています。さらに、ケカハ landfill からの食品廃棄物の禁止などの独自の提案も盛り込まれています。
4. 計画策定における地域社会の関与は?
計画のドラフトプロセスでは、地域住民の意見も随所で反映されました。ウィリアムズ氏によれば、一つの戦略である都市林業プログラムの創設は、地域社会から一貫した支持を受けています。
木を植えて都市部の影を増やすことで、温度を下げることができ、公的スペースをより魅力的にすることも期待されています。ウィリアムズ氏は、この計画のアクションは単に気候変動だけではなく、人々の生活を改善するためでもあると言います。
5. 次は何が起こるのか?
カウアイ郡計画部が最終版を完成させた後、それはダレック・カワカミ市長の承認を得ることになります。その後、提案された対策を実行に移す作業が始まります。
計画が単に棚の上に置かれることがないように、各郡部門には独自の行動計画が設けられ、これは文書の第2部に記載されています。サマーズ氏は、地域社会が引き続き重要な役割を果たすことを期待しています。
「素晴らしい地域団体が多く、気候変動への対策に取り組んでいます。我々は共にどのように協力するかを考えていく必要があります。」
カウアイ気候適応計画の全文は、こちらで確認できます。
画像の出所:hawaiipublicradio