フィラデルフィア市の最大級の労働組合であるアメリカ州・郡・市職員連盟 (AFSCME) の地区33は、7月1日にストライキを実施する可能性を示唆している。
これにより、フィラデルフィア市の重要なサービスが中断または完全に停止する可能性がある。
地区33は、911の通信士から水道局の職員、学校の横断歩道警備員まで、約9,000人の市職員を代表している。
2025年6月16日、地区33はストライキの権限を与えるかどうかの投票を行い、投票に参加した組合員の95%が賛成票を投じた。
したがって、7月1日までに合意が得られなければ、最大9,000人の市職員がストライキに入る可能性がある。
市民生活への影響
AFSCMEは公共サービス部門の労働者を代表しているため、ストライキは公共のユーティリティ、衛生、政府サービスに影響を及ぼす。
地区33のグループによるFacebookの投稿によれば、以下のようなサービスが停止または制限される可能性がある。
・独立記念日週末中のゴミやリサイクルの収集が行われない。
・911の警察および消防通信士へのアクセスが制限され、電話が混雑し、待ち時間が長くなる。
・市内の健康センターが全て閉鎖される。
・フィラデルフィア国際空港のトイレ、滑走路、航空施設の管理が停止。
・市の水道局の修理およびサービスが利用できなくなる。
・夏季学校に通う子供たちのための横断歩道警備員が不在となる。
他にも影響を受ける部門があり、DC33に加盟している部門の詳細リストは記事の下部で確認できる。
交渉の経緯
昨年11月、同様の状況が発生し、DC33はストライキを承認した。
その脅威を背景に、組合は新しい好条件の1年契約を求めた。
CBS3によると、この契約には5%の賃上げと1,400ドルのボーナスが含まれており、福利厚生も拡充された。
この契約は2025年度のもので、6月30日で終了する。
市長室の発表によれば、これは30年ぶりの最大の労働組合の賃上げであった。
しかし、長期的な契約が結ばれなければ、市長室と組合は2025年1月に再び交渉のテーブルに戻った。
シェレル・パーカー市長は、その際に新しい数年契約案を提示したが、DC33とパーカーの交渉はまだ新契約には至っていない。
両者の間の意見の相違は、給与や健康福祉プランの変更など、様々な点にわたっている。
今後の見通し
理想的には、パーカー市長とDC33が双方に満足できる数年の契約を成立させることが望まれている。
しかし、7月1日に期限が切れるストライキの回避策として、新たな一時的な合意が結ばれる可能性もある。
また、1986年のように新たな契約がなくともストライキが終了する可能性も考えられる。
前回のストライキ
DC33の最後の大規模なストライキは1986年に発生した「ゴミのストライキ」として知られている。
このストライキは20日間続き、「45,000トンのゴミが蓄積された」ことで名を冠された。
新たな契約は結ばれなかったが、ストライキは組合員の投票によって終了した。
DC33に所属する部門
以下に、DC33が代表する部門や職員の一覧を示す。
これらの業務がストライキに影響を受ける場合、待ち時間が長くなったり、サービスが減少したり、完全に停止する可能性がある。
画像の出所:billypenn