Sat. Jun 21st, 2025

アラスカ州の国内総生産(GDP)は、過去10年間で全州の中で最も成長率が低い水準にあります。これは、アラスカ州労働・労働力開発局の分析に基づくものです。

2015年から2025年にかけて、アラスカのGDPはインフレ調整後、年間平均0.4%の成長にとどまりました。

この期間において、アラスカ州を除いて最も成長率が低かった州はノースダコタ州で、年平均0.2%の成長を示しました。

これに対して、全国的な成長率は同期間中に年平均2.1%であり、中央値は1.7%でした。

インフレを考慮しない場合、アラスカの成長率は2020年から2024年にかけて年平均8.2%と見かけ上は堅調に思えるものの、これは高インフレの影響を受けているため、実際のところそれほど好調ではないという分析です。

通常、経済成長を示す際には「実質GDP」が重要視されます。アラスカ州の実質GDPは、今から十年以上前の油価が最高だった時期にピークを迎えました。

2015年から2024年の間に、アラスカは実質GDPが成長したのは2017年、2021年、2022年の3年のみでした。

これらの年は、アラスカの成長が全国の平均を上回った唯一の年でもありました。

州の経済の脆弱性を示す統計について、州の経済学者サム・タッペンは「長期的な停滞が続いていることは憂慮すべき事態です」と述べています。

アラスカ州の経済は、油価に大きく依存しており、その価格は州の制御を超えた世界市場やグローバルな出来事の影響を受けます。

タッペン氏は、「油は全体に対して大きな動きをもたらす」と指摘しています。

油価が高騰した時期を除外すると、GDPは大きく減少する年も存在しています。2015年には油価の暴落により9%の減少、2020年にはCOVID-19のパンデミックによる影響で7.1%の減少が見られました。

他州でも低成長に苦しむノースダコタ州、ワイオミング州、ルイジアナ州もまた、石油とガスに大きく依存しています。

良いニュースとしては、石油産業に依存しない分野での実質GDPは増加していることです。「他の産業は通常、安定して成長しています」とタッペン氏は述べています。

とはいえ、非石油セクターも石油に大きく依存していることは否定できません。

例えば、強力な輸送・倉庫セクターはアラスカ州のGDPの14%以上を占め、その半分以上は石油産業と直接関連しています。

また、レジャー・ホスピタリティ、建設、私立医療・教育なども年平均3%の成長を示していますが、オイルセクターに属さない鉱業部門は年平均で2.6%の減少、天然資源部門は年平均で3.9%の低下を示しています。

国内総生産(GDP)は経済を示す一つの指標に過ぎず、他にも雇用や所得など別の指標もあることをタッペン氏の分析は指摘しています。

画像の出所:adn