ワシントンD.C.の住宅法である「テナント購入機会法」(TOPA)について、ホワイト議員の見解が変化したことが注目されている。
昨年、TOPAが住民の住宅改善にどのように成功しているかを示すツアーを行った後、ホワイト議員は法の効果を強調していた。しかし、今年4月、彼は土地所有者の前で、TOPAへの批判的一面を示した。「TOPAはD.C.の住宅投資にとって最大の問題です」と彼は述べた。
TOPAは1980年に施行され、家主が不動産を売却する際にテナントに優先購入権を与える法律である。これまで、TOPAはDCのテナント権利の重要な一部であり、家主からの反発も強い。
市長のボウザーが提案しているRENTAL修正法案は、市場価格帯および低所得のテナントに対するTOPA権利を排除する可能性がある。ホワイト議員はビルの新規建設や大規模改修に対し、15年間のTOPA免除を提案している。
ホワイト議員は、D.C.が近年、低いシェアの多世帯住宅許可を発行している理由として、TOPAの影響を挙げ、自らの立場を正当化している。
一方、テナント擁護派は、TOPAが投資の減少を引き起こしているという主張に強く反対しており、実証データが不足していることを指摘している。彼らは、ボウザー法案の変更が「不明瞭な新しい免除」を包含しており、テナント権利を大幅に弱体化させると警告している。
さらに、アマゾンでさえホワイト議員の発言に対し異議を唱えており、同社がD.C.で行った投資はTOPAに起因するものではないと述べている。
ホワイト議員がTOPAに対する考えを変えたのは、特に投資者からの圧力が大きくなっていることに起因している。彼は、特定の報告書に基づいて新法案を推進し、早期に成立させる意向を示している。
こうした中、ホワイト議員が依拠しているデータの透明性には懸念が寄せられている。特に、TOPAに関する実態を正確に描写していると思われている「連合」の2023年の報告書が扱われていない点が疑問視されている。この報告書は、TOPAが16,000以上の手頃な住宅の保存に成功したとし、テナントの権利強化を提言している。
一方で、D.C.での投資減少の理由として、債券キャップの達成や金融助成金の不足が影響しているとの意見も多く、TOPAが直接の原因ではないとする意見も存在する。
また、ホワイト議員の提案は、DCのテナント権利を削弱する潜在的な危険をはらんでいるとの意見が強まっている。D.C.や他州間の競争力を考えると、テナントの権利を尊重しながら投資を促進する政策が必要だとの考えも薄れていない。
まるで1980年にTOPAが導入された際と似たような流れが繰り返されている。新しい建物や、アフォーダビリティ契約がある建物に対するTOPAの適用範囲を狭めようとする動きは、依然としても大きな議論を生んでいる。
今後の議論において、テナントの権利と投資促進の両立がいかに実現されるかが注目されている。
画像の出所:washingtoncitypaper