元首相の安倍晋三氏を殺害したとして起訴された男の裁判が、来週から始まる。
この裁判は、2022年7月8日に奈良で発生した安倍氏の銃撃事件を背景にしており、その根底には「統一教会」に対する恨みがあるとされている。
被告の山上徹也(45)は、安倍氏を殺害した罪を認める見込みで、弁護団は「宗教的虐待」と彼の育った環境について法廷での情状酌量を求める意向を示している。
奈良地方裁判所で行われるこの裁判は、火曜日に始まり、12月18日まで継続される予定で、最終的な判決は2024年1月21日に出される見込みである。
山上は、奈良市で安倍氏が演説をしていた際に、手製の銃を使って襲撃し、致命傷を与えたとされている。
調査によると、彼は家庭が受けた経済的破綻の原因が母親が統一教会に対して行った約1億円(約65万ドル)の大規模な寄付にあると考え、恨みを持つようになったという。
さらに、山上は、彼が安倍氏をターゲットにした理由として、安倍氏の祖父である岸信介元首相がこの教団を韓国から日本に紹介したことを挙げている。
山上は、起訴前に約6ヶ月の精神鑑定を受け、精神的に刑事責任を問われる能力があると判断された。
証人として、山上の母親や宗教学者が弁護側から求められ、現場にいた政治家も検察の証人として呼ばれる予定です。
近年、統一教会は、信者からの寄付勧誘方法に関して厳しい批判を受けており、また、安倍氏がかつて所属していた自民党も教団との繋がりが報じられたことから公的な反発に見舞われた。
この事件は、教団に所属する子供たちの苦しみも注目を集め、政府は2022年末に宗教的信念に関連する児童虐待に対処するためのガイドラインを発表した。
1954年に韓国で創設された統一教会は、1964年に日本における宗教法人の地位を得て以来、悪質な資金調達が続けられてきた結果、東京地方裁判所は今年3月に教団の解散を命じたが、教団はこの決定に対して控訴している。
また、この殺人事件は、日本での政治家の警備体制の見直しを促すきっかけにもなった。
起訴状によれば、山上は致命的な銃撃の前日に、統一教会に関連する施設で手製の武器を複数回試し撃ちしていたことが確認されている。
山上は、殺人罪に加えて、発砲による建物への損害や、銃器、爆薬および武器製造に関する法律の違反でも起訴されている。
安倍氏は、2006年から2007年と、2012年から2020年までの間に日本の首相として在任しており、射撃が行われた奈良県は彼の後継者である高市早苗議員の選挙区でもある。
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