Sat. Oct 11th, 2025

主要通貨ペアは、主に各国の金利差によって動かされています。
投資家は、ある国の現金や債券から得られるリターンを、別の国と比較した時にどれだけ魅力的かを重視しています。
そのため、アメリカの金利が日本の金利よりも高ければ、ドルを保有することがより魅力的になり、ドル円ペアは上昇します。
逆に、日本の金利がアメリカの金利よりも高ければ、円を保有する方が魅力的です。

債券の利回りは主に金融政策の予想によって左右されるため、投資家が注目するのは現在の金利ではなく、中央銀行の政策期待に基づいた将来の利回りです。
金利差は通貨ペアのドライバーとして重要ですが、それだけではなく、通貨市場の90%の動きを説明する最も影響力のある要因です。

現在、アメリカと日本の金利差とドル円ペアの間には大きな乖離があります。
このような乖離が見られたのは、2024年7月が最後でした。
その時、FXペアは金利差に追いつく形で急激な動きを見せました。
最初は7月11日に行われた介入によって円が支えられました。
その後、日銀が金利引き上げを検討しているとの報道がありました。
さらに、7月31日に「予想外の」金利引き上げが実施されました。
そして、8月2日にはアメリカの非農業部門雇用者数(NFP)が予想より弱かったことから、景気後退の懸念が高まりました。

今日の乖離は、過剰なドルのショートポジションや日銀の金利引き上げに対する消極的な姿勢など、いくつかの要因によって引き起こされています。
ドルのショートポジションが解消され始め、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待のピークに達した頃に、予想以上のアメリカ経済データがドルをさらに押し上げました。
しかし、アメリカの政府閉鎖により、今後のデータが得られず、利動きの再評価が進まないと見られています。
もし再び弱いNFPデータや穏やかなCPIデータが発表された場合、金利の再評価は進まないでしょう。

日本円に関しては、日銀が前回の会合で2名の委員が利上げに投票したことが円にポジティブな影響を与えました。
ただし、記者会見では、植田総裁が反対票の数を軽く受け流し、円はその後、値を失いました。
また、週末に高市氏が勝利したことで、市場はさらなる財政政策の拡張を予想し、円が下落しました。
市場は、動的な売り圧力の下での円の日中の介入の期待に注目しており、これがドル円ペアの短期的な天井を形成する可能性があります。
日銀も次回の会合で事前に金利を引き上げる可能性があるため、ニュースに注目すべきです。
市場は現在、10月の利上げの確率を27%、年内の利上げの確率を50%未満と見込んでいます。

画像の出所:investinglive