ワシントンD.C.警察は、今年7月18日に発生した39歳のソラマン・リチャードソンによるルームメイト射殺事件に関して、9月18日に逮捕の発表を行った。この事件は「家庭内の殺人」として扱われており、リチャードソンは、シェアハウス内での41歳のアレン・ショプロイの死亡に関与しているとして、第二級殺人未遂の確かな理由があるとされている。
リチャードソンとショプロイは異父兄弟であることが、逮捕状に基づく16ページの宣誓供述書に初めて記載された。
事件当夜、リチャードソンは7-Elevenの外で警官に声をかけ、「ルームメイトがナイフで襲ってきた」と主張したとされる。
警察はその後、リチャードソンと共に彼らが住んでいたアパートに向かい、そこでショプロイが血の海に横たわった状態で発見された。パラメディックによってその場で死亡が確認された。
D.C.の医療検査官による翌日の検査では、死因が胸部の銃創であることが明らかとなった。調査により、アパート内で発見された弾薬はリチャードソンが所有するショットガンのものであったことが分かった。
リチャードソンはその後、警察に対しショプロイがナイフで脅してきたと説明しており、数ヶ月間にわたって命を奪うと脅されたと述べた。しかし、捜査者たちの確認によると、リチャードソンの主張は他の証言者たちの証言と矛盾していることが明らかになった。
9月18日に行われたリチャードソンの初公判では、裁判官が第二級殺人未遂の確かな理由があると判断し、彼は次回の出廷まで無罪の保釈なしに拘留されることとなった。
一方、D.C.警察は、7月5日にトランスジェンダー女性ダクワン・「ドリーム」・ジョンソンが殺害された事件に関しても逮捕があったことを発表した。エドガー・アリンガトンが、第一級殺人罪の容疑で逮捕され、トランスジェンダーの性別に基づくヘイトクライムの指名が付け加えられたとされる。
リチャードソンの事件は家庭内暴力の一例として見られているが、ジョンソンの事件においては、明確にトランスジェンダーに対するヘイトが背景にあった。
トランスジェンダーに対する暴力は、特に最近増加しており、政治的な言葉遣いがこの暴力を助長しているとの批判が高まっている。ドナルド・トランプ大統領は、D.C.におけるプライドフラッグの撤去に賛成する意向を示し、これがトランスジェンダーコミュニティに対する認識に影響を与える可能性がある。
トランプの発言は、彼自身が過去にトランス問題を軽視する発言をしてきたことから、トランスジェンダーに対する差別的な発言をさらに助長するものと見られている。
最近のD.C.での事件は、反LGBTQ+暴力が実際にどのように行われているかの一例であり、司法制度がどのように機能しているか、またその背景にある社会的な問題についての重要な議論を引き起こしている。
エドガー・アリンガトンの事件とリチャードソンの事件は、都市におけるトランスジェンダーやLGBTQ+コミュニティの安全と、暴力の根絶についての訴えを呼びかけている。
リチャードソン事件における捜査の進行と、アリンガトンの初公判におけるヘイトクライムの指名は、これらの事件が単なる犯罪ではなく、社会全体が取り組むべき深刻な問題であることを示している。
D.C.では、最近の事件が警察や法律についての信頼を揺るがすとともに、コミュニティの人々が自身の安全を守るためにどうすればよいかを再考させる重要な機会を提供している。
特に、トランスジェンダーの人々やLGBTQ+コミュニティに対する攻撃が増加する中、政治的指導者たちが持つべき責任が、より一層重視されるべきである。
画像の出所:washingtonblade