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東京、9月10日 — タイラー・ザ・クリエイターは、有明アリーナでの二夜連続のソールドアウト公演を終え、日本における彼の人気の独自性を再確認させた。

このアリーナは約15,000人を収容でき、通常は国内のJ-POPの巨星やベテランアーティストのために用いられる。

ビートルズを知っている高校生は多いが、ローリング・ストーンズを認識している保証はない。

そんな中、タイラーは例外だ。

彼は若者層からの強力な支持を集め、二夜にわたる公演を満席にするほどの人気を誇っている。

観客たちの姿は、タイラーの世界を体現していた。

ロシア帽やローファーの上に引き上げた白い靴下、タイラーのアルバム『IGOR』を彷彿とさせるパステルシャツ — コンコースはまるでタイラー自身がキュレーションしたファッションショーのようだった。

横浜から来た男子高校生のグループは、「コンセプトがユニークで、ビートが良く、ファッションが素晴らしい」と語った。

彼らが聞きたかった曲は「Tamale」と「EARFQUAKE」と答えた。

東京から来た20代の女性二人組は、海外で彼を見つけた過程を語った。

「オーストラリアで勉強していたとき、友達に勧められて聴いたら、一瞬で好きになった」と一人が回想した。

彼女たちが最も聞きたかった曲は「See You Again」と「DOGTOOTH」で、タイラーの甘さと威厳をキャッチするトラックだった。

アリーナ内は、タイラーの独特な想像力が織り成す生きたコラージュとなっていた。

オープニングアクトのパリ・テキサスは、その役割を完璧に果たした。

ロサンゼルスのデュオは、パンクエネルギーを発揮し、3曲目にはモッシュピットを要求した。

観客はすぐに反応し、歪んだギターと鳴り響くビートに合わせて身体を揺らした。

アリケアは、30分間もともとオリンピックの時代のアリーナとは思えないような雰囲気が漂った。

彼らが去る頃には、観客は汗をかき、興奮し、ヘッドライナーの登場を待ち望んでいた。

午後8時10分、照明が落ち、花火が打ち上がった。

タイラーは鮮やかなスーツを着て登場し、マイクに向かって駆け寄った。

最も驚かされたのは、ステージにはドラムもアンプもバンドもいなかったことだ。

かつてヘビーメタルのツアーを管理していた者としては、この完全に空っぽのステージは未だに驚きを感じさせる。

だが、タイラーはそれを簡単に満たしてしまった。

彼の動き — 駆け、跳び、突然スポットライトの下で静止する — は、アリーナを彼のスケールに合わせて曲げてしまった。

ショーは最新アルバム『DON’T TAP THE GLASS』や『CHROMAKOPIA』からの曲で始まった。

「St. Chroma」、「Big Poe」、「Sugar on My Tongue」が連続で披露され、鮮やかな映像ともに重厚なベースが響き渡った。

歌詞を知らないファンさえ、そのコーラスをすぐに大声で歌い返していた。

中盤では、古い楽曲に移行し、アリーナは沸き立った。

「EARFQUAKE」の甘いイントロが流れると、群衆は frenzy、 15,000人の声がほとんど彼を飲み込んだ。

「ARE WE STILL FRIENDS?」で一時的にスローダウンした後、興奮の爆発で「She」や「Tamale」が続いた。

その後には、重厚なベースが響く「LUMBERJACK」と、ロマンティックなグルーブの「WUSYANAME」が続いた。

フィナーレはカタルシスを狙ったものであった。

「See You Again」で観客が一つとなり、「OKAY, OKAY, OKAY, OKAY!」と叫び、最後には「NEW MAGIC WAND」で圧倒的な感情が炸裂した。

曲間にタイラーは東京への感謝を述べ、小さなクラブでの初期のショーを振り返った。

今やアリーナでの二晩の成功を経て、彼は謙虚さとエネルギーを両立させていた。

「ありがとう」と一言だけ残し、観客にお辞儀をした。

彼がここで特別である理由は、ファンが彼のアートを自らのものとして主張していることにある。

横浜から東京までの観客は、ファッションやコンセプト、ビートについて、まるでそれが彼ら自身の個人的なシグニファイアであるかのように語っていた。

観客が温かい夜の中に溢れ出すと、一組のグループがそのすべての感覚を振り返って笑い合った。「完全にやばかったね!」

それはまさにそうだったのだ。

タイラー・ザ・クリエイターはただアリケアアリーナで演奏したのではなく、それを変革したのである。

空っぽのステージ、15,000人のファン、そしてその広い空間をほぼ狭く感じさせる一人のパフォーマー。

日本では、ここまで深く若者と共鳴する外国アーティストは少ない中、タイラーは貴重なものを築き上げた:彼の想像力の行く先へいつでもついて行く準備ができた生きたファンベースを。

画像の出所:japan-forward