Tue. Sep 9th, 2025

多くの小説家志望者が、自分の技術を磨くのに十分な時間がないと嘆く中、アントニオ・ファリアス、CUデンバーの副学長はそんな声を聞かない。

ファリアスは日中、すべての学習者が人生のどの段階でも学業や職業目標を達成できる環境を作るための努力を導いている。この仕事は大変なものであるが、彼は毎朝、日の出前に自らの創作活動のための時間を設けており、それが彼の創造力を立て直し、仕事に向けてのインスピレーションを得る方法の一つとなっている。

ファリアスは幼少期から熱心な読者であり、コミュニティカレッジに通っている際に創作文学のコースを取り始めた。彼の学問のキャリアは、カリフォルニア大学バークレー校での学士号と修士号の取得を経て、高等教育のリーダーシップに続いていたが、その間も彼は余暇を利用して執筆を続けていた。さらに、彼はプロのキャリアを築いている最中にカリフォルニア大学リバーサイド校でファインアートの修士号も取得した。

彼のキャリアと創作活動は相互に補完しあい、密接に絡み合っているようだった。

ファインアートのプログラムでは、ある授業の課題として一人称での執筆を強いられることになったが、彼はそれを好まず、それでも尊敬する教授の指導の下、挑戦した。

すると、彼はそのアプローチに魅了され、登場人物が生き生きと感じられるようになり、10年前に主要なキャラクターが誕生した。

その後、彼は家族を育てるなどの生活の流れの中でその作品を一時的に脇に置いていたが、パンデミックが発生し、生活が変わる中で自宅でのルーチンが整うと共に再び執筆に取り組み、フロリダにいる間に草稿を完成させた。さらにその後、内容を磨き上げ、出版社に提出したところ、受理されたのだ。

出版日は9月9日であり、Arte Públicoは彼が常に尊敬していた出版社である。30年前、彼がバークレーで文学や民族研究を学んでいた頃は、ラテン系作家を出版するところはほとんどなく、現在のようにラテン系作家が多く市場に出ることはなかった。

そのため、Arte Públicoを通じて本を出せることは、彼にとって大きな名誉であった。彼にとってそれは一種の原点への回帰だった。

執筆は問題なく好きだけれども、公の場に出て本の宣伝をすることには戸惑いを覚えるという。

書くことは楽しむ活動だが、実際に人前に出ることには抵抗がある。その文化的背景には「私」という視点よりも「私たち」を重んじる育ちがあったからだ。

彼は、作品を書くことは個人的な行為であり、そのことに関しては「私」という感覚への移行を試みることに苦労している。

ファリアスは、この小説を成長物語として執筆しており、1970年代を舞台にしている。彼は現代の時代設定は避け、自身が成長した1970年代のニューヨークを基に、若い少年を主人公にした物語を選んだ。彼は、現在の文学には健康的な男らしさを描く物語が少ないため、このテーマに焦点を当てた。

物語は、戦争と義務感が家族を引き裂く様子や、喪失を乗り越えて何かより大きな希望を見つける過程も描かれている。物語は、主に東海岸から西海岸のニューメキシコへと移り行く展開を見せている。

ファリアスはこの物語がニューメキシコへのラブレターとしても機能しており、その土地の文化を称賛するものであると述べている。彼にとって場所はキャラクターのように重要で、多くの面で物語の中心的な存在になっているのだ。

彼の影響を受けた作家について尋ねると、ファリアスはジョン・ル・カレの作品が大好きだったと語る。子ども時代、彼の図書館にはスパイ小説がほとんどなかったため、彼はマンハッタンまで電車で行き、B.ダルトン書店に通って自費でスパイ小説を楽しんだ。

その後、ラテンアメリカ文学のブームを体験し、ガブリエル・ガルシア・マルケスやフアン・ルルフォ、カルロス・フエンテスに出会う。

彼らは自分の歴史の中で忘れられていた人々についての壮大な物語を描いており、それが彼を作家として目覚めさせた。ファリアスは、自分の書く小さな本がいくつかの人々に感動を与え、次世代の作家たちに刺激を与えることができればそれで十分だと考えている。

CUデンバーでの仕事や高等教育への関心がこれに結びついているようで、彼は一人一人の結びつきがもたらす変化を信じている。

「文化を変えるには、単に一人の人が小さなことをするだけでいい」というポジティブな考えを持っている。

最も感動的なシーンについて尋ねられると、彼は主人公のハイメが叔父と初めて出会う場面に触れ、そのシーンに深く考えさせられることがあると述べた。

その瞬間は、父を失った少年が支えとなる存在としての年長者に出会う様子を描いており、そのシーンにはナイフやサソリが含まれ、彼の個人的な成長に向けた象徴的な瞬間となっているのだ。

画像の出所:news