アメリカ合衆国の250周年を迎える来年に向けて、ドナルド・トランプ大統領がスミソニアン美術館の大規模な見直しを命じました。
ホワイトハウスからは、これらの美術館が「アメリカの物語を定義する団結、進歩、そして持続可能な価値観」を示すよう求められています。
この見直しは、トランプ政権が文化機関からアメリカへの批判を取り除こうとする広範な取り組みの一環です。
「アメリカの物語全体が語られることは重要です」と、アメリカ歴史協会のエグゼクティブディレクターであるサラ・ワイクセルは述べています。
「歴史的事実を尊重することにおいて、我々は人種や人種差別についても語らなければなりません。
アメリカにおける奴隷制度について触れないわけにはいきません。
これらは単なる歴史的事実であり、共有された歴史を理解するために不可欠です。」
ワイクセル氏は、スミソニアンの国立アメリカ歴史博物館で以前働いていた歴史家です。
彼女は、スミソニアンが特別な存在である理由についても述べています。
「いいえ、スミソニアンは非常に特別な任務を背負っています。
それは我々の国立博物館であり、全てのアメリカ人のためのものです。
それは、アメリカの人々のための知識を増やし、普及するために設立されました。
つまり、アメリカ国内外の全ての人々の歴史を含むという非常に広範な使命を果たすことが求められています。」
彼女は、もし自分がまだその職にあったなら何を考え、何を見直し、何を報告し、何を心配すべきかを問われました。
「私がキャリアのある時期に取り組んだことの一つはカーライル・インディアン・スクールでした。
これは、ネイティブアメリカンの子供たちを『アメリカ化』することを目的とした学校でした。
彼らは全てのネイティブな衣服を脱がなくてはならず、ネイティブ言語や文化、伝統を白人の期待に合わないことではやめるよう強制されていました。
スミソニアンの中にあるいくつかの物は、このストーリーを非常に力強く伝えるものです。」
「過去の過ちを認められない美術館は存在し得ない。」と、彼女は続けました。
「私が教師だったとき、学生が過去に繋がることの重要性を実感しました。
彼らが過去のどこかに自分自身を見出す必要があるのです。
美術館でも同じことが言えます。
もし美術館に入って、自分に似た人や、自分と似た経験を持つ人が見えなかったら、あなたは気づくでしょう。
そして、それはまるで自分に歴史がないかのように感じさせますが、それは単なる誤解です。」
画像の出所:wbur