新しいギャラップの調査によると、アメリカ人の飲酒率が過去最低に達したことが明らかになりました。
この減少は、調査対象者の間で、たとえ適度に飲酒することも健康に良くないという懸念が高まっていることと一致しています。
今年、アメリカ人の54%がアルコールを飲むと回答したと、1940年からアメリカ人の飲酒習慣を追跡しているギャラップは報告しています。
これは1958年の過去最低記録を1ポイント下回った数字です。
トロントメトロポリタン大学の心理学教授サラ・ダーモディ氏は、飲酒の健康リスクについての知識が増えてきたことで、この変化が促されている可能性があると語ります。
「長い間、過度の飲酒やバンジ飲酒の影響に注目が集まっていました」と彼女は言います。
適度な飲酒(一日1〜2杯)についての以前の研究では、赤ワインのようなアルコールが健康に良いとされていましたが、 ダーモディ氏によれば、科学者たちは因果関係ではなく相関関係のパターンしか示していないことに気づきました。
たとえば、飲酒しない人々は既存の健康問題のために悪影響を受けることがあり、飲酒する人々は他の健康問題を持たない可能性があります。
このような要因を考慮した結果、科学者たちは少量のアルコールも健康に悪影響を与える可能性があると結論づけています。
がん、うつ病、不安のリスクが高まると、彼女は言います。
特に若者たちは、この研究を重視しているようです。
最近のギャラップの調査によると、18〜34歳のアメリカ人のうち、アルコールを飲むと答えたのは50%という結果が出ています。
これは、35歳以上の人々の56%と比べて低い数字です。
さらに、66%の若者が適度な飲酒は有害であると考えている一方で、35歳以上では約50%だったとのことです。
ウェブスター大学の心理学教授サラ・マクミュリン氏は「彼らは安全な飲酒に関するメッセージを受けて育ったが、それとは逆の経験をした世代もいる」と述べています。
彼女は、飲まないことがより社会的に許容されるようになったとも指摘し、「ドライ・ジャニュアリー(1月の飲酒中止運動)」や「ソバー・オクトーバー(10月の飲酒中止運動)」などのキャンペーン、またモクテルやアルコールフリービールの人気を挙げました。
飲酒がソーシャルギャザリングに根付いているアメリカでは、若者たちは以前の世代と比べて、仲間と直接会う機会が少なくなっています。
加えて、アルコールは高価であるともマクミュリン氏は指摘します。
「アルコールは贅沢品として捉えられている可能性があり、必需品とは見なされていない」と彼女は述べています。
このため、特に厳しい雇用市場に直面している若い世代において、飲酒率が低下している要因かもしれません。
ギャラップの調査では、女性と男性の飲酒習慣の間に顕著な違いも示されています。
女性の飲酒率は2023年から11ポイント減少し、男性は5ポイント減少しました。
また、ワインを好む女性は44%、ビールを好む男性は52%という結果も出ています。
ダーモディ氏は、飲酒が男性に人気のある活動(スポーツなど)により関連している可能性があると考えています。
マクミュリン氏は、男性がビールを自身に適したものだと見なすのに対し、女性はワインを同じように見ている可能性があると考察します。
「周囲の人々や社会的規範の認識が全てに影響を与えます」と彼女は言いました。
また、女性は健康に気を使っている傾向が強く、ストレスを感じた場合はアルコールの代わりに友人に相談することが多いのに対し、男性は感情を抑え込みアルコールに頼ることがあるとのことです。
ギャラップの調査によると、人々はアルコールの代わりにマリファナなどの他の薬物を使っているわけではないようです。
同社は、マリファナの使用は過去4年間で「比較的安定している」と述べています。
イェール大学の医学と公共衛生の教授ゲイル・ドノフィリオ氏はそれに反対し、2024年の連邦政府の年次全国薬物使用と健康調査に触れ、2021年以降26歳以上でのマリファナ使用が増加している一方、18〜25歳では減少していると指摘しました。
ドノフィリオ氏は、健康的なアルコール消費が何かを伝えることは、マリファナの消費に関するそれよりも容易であると述べています。
「標準的な飲み物が何であるかは分かるものですが、マリファナについてはどれくらい取るべきか分からない」と彼女は言いました。
彼女は、ダーモディ氏とマクミュリン氏同様、アルコール消費がアメリカで今後も減少することを予想しています。
ダーモディ氏は言います。「この傾向や変化と呼ぶのは注意が必要です。これらの調査が続けてそのレベルで減少し続けるまたは維持されることが確認されるまで、様子を見るべきです。」
画像の出所:npr