世界最大の自動車メーカー、トヨタ自動車(7203)は、米国での自動車販売において、トランプ大統領による自動車輸入に対する25%の関税が課される中でも、価格をほぼ変えない姿勢を示しています。
この状況は、トヨタが7203の優位性を加速させると考えられています。
トヨタは今月、米国で販売される一部の車両について、平均270ドルの価格引き上げを発表しました。
これは北米で販売されるトヨタ車の平均販売価格のわずか0.7%に相当します。
他の日本の自動車メーカーも、関税の初月に類似の戦略を採用したようです。
日本から米国への自動車輸出の価値は、5月に前年同期比で24.7%減少し、輸出数量も3.9%減少したと、6月18日に発表された公式貿易データが示しています。
このデータは、輸入業者が関税の前に車両の価格を引き下げ、実際に関税の費用を吸収していることを示唆しています。
ほとんどの企業にとって、この戦略は持続可能ではありません。
トヨタの営業利益率は、3月に終了した会計年度において10%でしたが、国内の主要ライバル企業の平均は5%です。
これにより、トヨタは価格を安定させるための優れた柔軟性を持っています。
仮に関税に関連するコストを吸収したとしても、営業利益は約7%の減少にとどまると、モーニングスターのアナリストであるビンセント・サンは計算しています。
対照的に、ホンダ(7267)が同様のアプローチを取った場合、25%の利益減少が見込まれ、一方で苦境に立たされている日産(7201)の営業損益は約30%も悪化すると推測されています。
結局、弱い企業は顧客にコストを転嫁する以外に選択肢はなくなるでしょう。
もし日米の二国間貿易協定が関税を半減させたとしても、米国の日本の輸入業者は約80%の影響を消費者に転嫁せざるを得ないと、コンサルティング会社アリックスパートナーズは見積もっています。
これは市場シェアにとって悪影響を及ぼします。
値上げを避けられない企業は、トヨタや、さらにはテスラのような非日本ブランドに対して市場で不利な立場に立たざるを得ないでしょう。
これはホンダと日産にとって痛手となります。
米国はホンダと日産にとって最大の市場であり、2024年の時点で日本企業の輸出は全世界の売上の10%を超えていました。
トヨタは関税の痛みを耐え抜くことができるかもしれませんが、日本全体にとっては損失が大きくなるでしょう。
画像の出所:tradingview