Wed. Nov 5th, 2025

オレゴン州の劇場舞台では、ウィリアム・シェイクスピアの作品に触発された新たな演劇が多数上演されている。特に注目すべきは、11月1日に21ten Theatreで開幕するスー・マッチの「Madonna of the Cat」である。これは、シェイクスピアの「冬物語」の間の16年間の空白を埋める作品である。

また、Shake&Popは「夏の夜の夢」を上演中であり、アーティスト・レパートリーでは「The Bed Trick」を上演している。こちらは「終わりよければすべてよし」の倫理について考察するコメディである。そのほかにも、レイクウッド・シアターでは「The Boys from Syracuse」のコンサート形式の読み上げが行われ、これはロジャースとハートによる「見かけの悪戯」に基づくものである。

ホラーシーズンには、Speculative Dramaが30分でシェイクスピアの「マクベス」を題材にした「Upon this Blasted Heath」を上演し、レッド・オクトパス・シアターでは「十二夜」が続いている。

さらに、バート・シンプソンを好む観客には、チャペル・シアターで「Mr. Burns, A Post-Electric Play」が上演されることも見逃せない。そして、プロファイル・シアターによるスー・シルバーマンの「Witch」の魅力的な制作も11月2日まで続いている。

「Madonna of the Cat」では、監督のジェマ・ウェランがこの作品にかける情熱を語っている。彼女はサイクリングをしながらリハーサルに向かい、作品についての熱意を語った。

ウェランは、女性の関係性やパトリアルキーの世界における葛藤をテーマにしたこの作品に取り組むことを「良い挑戦」と考え、シシリアとボヘミアを舞台にした二つの世界を作り出す困難さを強調している。

「Madonna of the Cat」は、シェイクスピアの「冬物語」の第3幕と第4幕の間の出来事に焦点を当てている。劇中では、主人公レオンテスが妄想的に妻を裏切り者だと断罪し、不正義を描いている。

また、マッチの作品は、ヒロインのハーマイオニーとその友人ポリーナ、そしてハーマイオニーの娘ペルディータの間の女性たちの関係に力点を置いている。

デザイン面でも、セニックデザイナーのアレックス・マイヤーが舞台の情景を工夫し、観客に魅力的な視覚体験を提供する。

更に、シェイクスピアの著作を現代に照らし合わせることで、今日の権力構造についての洞察も提起している。その中でも、今の時代における芸術の重要性を再考することが軍事政権下の社会における表現の自由に繋がるとウェランは主張する。

この劇の名前は、16世紀の画家ジュリオ・ロマンの「Madonna of the Cat」という絵画から取られている。これは暗い宇宙に光を差し込むものであり、マッチの想像力から生まれる明るさがこの作品をさらに活き活きとさせている。

最後に、マッチの作品を観劇した後に彼女の言葉を楽しむために、ウェランの出版社Shanganaがその台本を出版する予定であり、公演中に入手可能であることを特筆し、参加者にとっての特別な体験となる。

「Madonna of the Cat」は、21ten Theatreで11月1日から23日まで上演される。30日と31日のプレイ・プレビューでは、観客が自由に支払える形式での公演が予定されている。

続けて上演される作品には、10月23日から26日までのパシフィック大学の「Cabaret」、10月24日と25日のレイクウッド・シアターの「The Boys From Syracuse」、10月24日から11月8日のアルバニー・シビックシアターの「Evil Dead, the Musical」などがある。

劇場ニュースとしては、ファーティル・グラウンドが2026年のフェスティバルに向けて新しい会場をパートナーに迎えることを発表した。ポートランド州立大学のボイラー・ルーム・シアターやビーバートンのハウススタジオが新たに加わり、独立したアーティストが新作を発表する機会が増えた。さらに、シャーキング・ザ・ツリー劇団はダニ・ボールドウィンを教育ディレクターに任命した。彼女は青少年向けの教育プログラムを構築していく予定で、11月1日からクラスの申し込みが開始される。

さまざまな劇場が協力し、創造的な表現の場を提供するオレゴン州の劇場シーンは、さらなる盛り上がりを見せている。

画像の出所:orartswatch