アメリカ合衆国最高裁判所が火曜日に、性的指向と政府の規制に関する重要な案件についての議論を行った。
このケースは、保守的なキリスト教団体とLGBTQ+コミュニティとの対立を引き起こしている。
争点は、いわゆる「転換療法」である。
この療法は、同姓への性愛を「治療」し、つまりゲイの人々をストレートに変え、また、性自認を変更したいとの欲望を治すために、その人に生まれた性別に馴染むようにさせるためのものである。
アメリカ医師会やアメリカ心理学会を含む主要な医療団体は、この療法を否定しており、効果がないことが確認されている。
さらに、特に未成年者においては深刻なうつ症状や自殺念慮を引き起こす原因となっていると指摘されている。
その結果、半数の州が18歳未満を対象とした転換療法を禁止している。
ジェシカ・リッターさんは、元転換療法患者のひとりであり、この療法に反対する立場を取っている。
彼女は信心深いキリスト教家庭で育ち、初めてのキスは別の女の子とのものであったと言う。
その恋愛が信仰上の理由で終わることになり、彼女は地獄へ行くのではないかという恐れから、転換療法を受けることを決意した。
「私は壊れていると言われ、自分が行うべきことをすべてやっても、それが効果がないと知りました。」と彼女は語る。
彼女は、この療法から回復するのに何年もかかったと述べている。
転換療法の禁止に挑戦している保守派のキリスト教法的グループ、アライアンス・ディフェンディング・フリーダムとコロラド州のセラピスト、ケイリー・チャイルズは、自らの言論の自由が侵害されていると主張している。
「私は本物の関係を築きたく、州の価値観や立場にさえ干渉されずに活動したい。」とチャイルズさんは述べる。
現時点では、彼女は転換療法を望むクライアントを断っているとのことだ。
最高裁でチャイルズを擁護する弁護士のジェームス・キャンベルは、チャイルズが行っているのはあくまでトークセラピーであり、これは憲法の言論の自由の保障に基づいて守られるべきだと主張する。
「州は、誰が正規のカウンセラーであるかを決定する権利があります。
彼らが適切な教育を受けているか、十分な経験があるかを決定することもできます。
しかし、州が言うことができるのは、『このトピックについて会話はできますが、その視点からはできません』というのではありません。」と彼は述べており、これを「明らかな見解の差別」と表現している。
コロラド州のアターニー・ジェネラル、フィリップ・ワイザーは、州法は未成年者にのみ適用され、宗教団体に対しては年齢制限を設けず、誰でも転換療法を求めることができると反論した。
しかし彼は、州はライセンスを持つセラピストや他の医療専門職に、確立された医療基準を遵守させる権利があると付け加えた。
「州が患者を不適切なケアから守る能力を奪えば、全く支持されていない治療法への扉を開くこととなります。」と彼は語った。
この議論の両サイドは、ある恥ずかしい事実に対処しなければならなかった。
転換療法を支持する側が提出した法的書類は、英国の国営医療サービスによって委託されたカス調査の結果に大きく依存していた。
この調査は、昨年、未成年に対するトランスジェンダーを肯定するケアに正当性を示す十分な証拠がないと結論づけた。
興味深いことに、カス調査は転換療法に関しては異なる結論を出し、この療法を科学や専門的医療指針で支持されていないと非難した。
コロラド州の立場について、反対者たちは主要な医療団体が常に正しかったわけではないと指摘している。
実際、アメリカ精神医学会は1973年まで、同性愛を精神障害として分類していた。
ワイザーアターニー・ジェネラルは、医療科学は時とともに進化するものだと答えた。
「かつては、1日3箱のタバコが癌を引き起こすとは知られていない時代もありました。
しかし、今それが分かっているのに、医者が人々にタバコを吸わせることは間違っています。
それは不適切なケアであり、転換療法も同様です。」
画像の出所：npr