Sat. Sep 27th, 2025

自民党(LDP)は10月4日に次期総裁を選出し、これは与党だけでなく日本全体の行く先を決定する重要な機会です。
今回の選挙は、物価の上昇、人口動態の圧力、地域の安全保障上の脅威が高まる中で行われます。

候補者は、竹内 紗南(たけうち さなえ)、小泉 進次郎(こいずみ しんじろう)、小林 隆之(こばやし たかゆき)、茂木 敏充(もてぎ としみつ)、林 芳正(はやし よしまさ)の5人が名乗りを上げ、それぞれ異なるビジョンを掲げています。
彼らの9月22日の日本テレビでの討論や、9月24日の日本全国記者クラブフォーラムでの発言は、共通の優先事項と明確な対立点を浮き彫りにしました。

【竹内 紗南:成長と保守主義】
元経済安全保障担当大臣の竹内紗南は、自民党に目的と誇りを取り戻す候補者として自らを位置づけています。
2023年の選挙で敗北した後、彼女は全国を巡り、簡潔なメッセージが有権者からの強い印象を残したと語ります。
「自民党の政策には夢も野望もない」との声に衝撃を受けたと述べています。
この危機感が現在の彼女のキャンペーンの基盤となっています。

国立記者クラブでの討論において、竹内は経済戦略の強みを強調し、成長を追求することを約束しました。
彼女はガソリン特別税の廃止、所得税の軽減拡大、さらには医師の報酬などの公式料金をインフレに対応させることを公約しました。
また彼女のメッセージには保守的な優先事項も反映されています。
外国人住民に関しては、共存には日本の法律、文化、伝統の尊重が必要であると主張しています。
憲法改正の推進についても、LDPの提案する4つの修正は「欠かせない」とし、特に第9条の改正を通じて自衛隊を明確に武力として認識すべきだと強調しました。
皇位継承については、126代続く男系の正統性を重視すべきだと強調しました。

【小泉 進次郎:若き魅力と初期の失策】
農林水産大臣の小泉進次郎は、キャンペーンにおいて雲行きが怪しいスタートを切りました。
9月26日、自身の支持者の事務所が彼に賛美し、ライバルを貶めるようなSNS投稿のサンプルコメントを流布したことを認めました。
「知らなかったとはいえ、申し訳なく思っています」と記者に語り、「自分がもっと強かったら、こうしたことは起こらなかったと思います」と述べました。

しかし、小泉は舞台の上でエネルギーとビジョンを印象付けようとしました。
日本テレビの討論では「2030年までに平均賃金を100万円引き上げたい」と宣言し、これは構造改革と超党派による協力に結び付けられました。
家族法については、トーンを落とし「家庭や結婚は深く根づいているため、国民の理解と超党派の合意が必要だ」と強調しました。
外交面では、彼の言及した条約交渉は安倍首相によって進められたものであり「適切な評価に値する」と述べました。
2%のGDPに達する防衛費の実施を堅実に行い、同盟国との協力を拡大することを約束しました。
カリスマ性とメディア対応力に富む小泉は、新しい時代を象徴していますが、政策の深さが人気に匹敵しているかに疑問が残ります。
特に、討論中にメモを頻繁に参照していた点が印象に残ります。

【小林 隆之:技術官僚の挑戦】
元経済安全保障担当大臣の小林隆之は、自らを安定した技術官僚として位置づけています。
日本テレビの討論では、選出された際には「すぐに経済対策の創設を指示する」と宣言し、最初の優先事項として重要な職業に対する賃上げを挙げました。
小林は、人口の減少に対する究極的な対策は経済を成長させ、収入を引き上げることにあるとし、特定の税制改革を主張しました。
中間層を対象とした比例的な税金削減と社会保険料負担軽減のための改革を約束しました。
分裂的な社会問題については、彼は実務的な解決策が最善であるとしました。
姓の議論では、実際に旧姓の使用を拡大することが最も前進であると考えています。
外交面では、彼は安倍のレガシーを引き継ぐと言い、ドナルド・トランプとの早期サミットを提唱しました。
小林には、小泉の華やかさや竹内の派閥の強さは欠けていますが、細部にわたるアプローチは真剣さを求める党員に訴えるかもしれません。

【茂木 敏充:安定性と経験】
茂木敏充は、自身の経験と安定性に重きを置いています。
日本テレビの討論では、すぐに補正予算を通過させ、包括的な経済対策を設け、2年以内に賃上げを確保すると公約しました。
社会問題については慎重なトーンで接し、「別姓に関する意見が党内で分かれている点に注意を払うべきだ」と述べました。
「結論を急ぐのではなく、議論を続けることが重要だ」と強調しています。
また、若者や子育て世帯に対する社会保険負担の重大さについて警告しました。

茂木は外交的な実績を自負し、「私は安倍総理の働きを身近に見た」と自らの経験を強調しました。
ドナルド・トランプとの信頼を早期に築く重要性を訴えました。
安定性と団結のメッセージは、予測可能性を重視する党内に共鳴するかもしれませんが、エビアン水が出されなかったことで怒りをあらわにした過去が国民に響くかどうかは疑問です。

【林 芳正:国際的視点と社会政策】
内閣官房長官の林芳正は、国際的な視点を持った選択肢として、自身の強い社会政策への関心を示しています。
日本テレビの討論では、低所得者層や中間所得者層への即時的な経済的支援を支持すると言い、LDPの上院公約に基づいて均等な現金給付を求めました。
記者クラブで、低所得者層や中間所得者層を支援するための日本版ユニバーサル・クレジットを創設することを長期的に提案しました。
姓の問題については、世論を指摘し旧姓の使用拡大への支持が一般的であると認識し、国民との対話の重要性を強調しました。
外国人労働者については「必要に応じて徐々に受け入れるべきである」と述べています。
外交は彼の最も強い武器であり、トランプ大統領との会談を約束し、関税を見直す考えを示しましたが、米国との防衛を母体とする必要性も訴えています。
彼の冷ややかな反応が過去に報われたことから、彼が先代たちと同じ権威をもって日本の外交を牽引できるかは疑問です。
派閥の支持が弱いことも、自民党内での影響力を制限する可能性があります。

画像の出所:japan-forward