Mon. Aug 11th, 2025

オレゴン州ポートランド市の市長、キース・ウィルソンが最近行った決定が注目を集めている。市の多様性、公平性、包含(DEI)政策を、トランプ大統領の指示に従い見直すという内容だ。

この動きは、トランプ政権が発表した指令に基づいており、違反する政策には連邦政府から資金を削減される可能性がある。ウィルソン市長の執行命令は、全ての市政策が連邦の差別禁止法を遵守することを求めている。

市は毎年、約3億5000万ドルの連邦助成金を受け取っており、サポートを受けるためには、トランプ政権の厳しい要件を満たす必要がある。トランプ政権は、特定の人種や性別の優先を禁止しており、これに該当する政策が多く存在する。レポーターのアレックス・ジーリンスキーによると、ポートランドのDEIプログラムの中には、マイノリティ企業への契約優先や、管理職への少数派や女性の候補者の選考ルールが含まれる。

この政策変更に対して市民の反響は二分している。市議会の選出された多くの議員は、ウィルソン市長の論理に同意しており、連邦資金の確保が重要であることを強調した。しかし、他の議員はトランプ政権への従属を懸念している。

特に市議会議員のロレッタ・スミス氏は、DEIプログラムを犠牲にするのは許されるべきではなく、トランプ政権に立ち向かう姿勢が必要であると述べた。反対意見の一方で、アメリカ自由人権協会(ACLU)のオレゴン支部のディレクター、サンディ・チュン氏は、ウィルソン市長の方針に理解を示した。チュン氏は、市が連邦法に従うのは本来の義務であり、トランプ政権の命令に従うことで劣化するものではないと指摘している。

ポートランドがトランプ政権と対峙してきた経緯が、この決定に影響を与えていることは間違いない。リーダーたちは、今後のトランプ政権の動向を懸念しており、目立たないように努める一方で、同時に市民のために最善を尽くす必要があると感じている。

また、ポートランド市は、他の都市と比較しても遅れを取っている。すでにオレゴン州の他の主要都市や郡では、トランプ政権の指令に従ったDEI政策の見直しが行われている。これは、ポートランド自体が政策を転換する証左であり、市が連邦の資金を安心して得るための工夫とも言える。

最後に、これまでの経緯やトランプ政権との関係を踏まえた上で、ポートランド市の市民、リーダーシップ、そして広くて多様なコミュニティにおける意見形成がますます重要になるだろうと考えられる。

画像の出所:klcc