シアトルでは、市の公園に設置された聖なるネズミを描いたモザイクアートを守ろうと、市民たちが取り組んでいる。
市の作業員が何度もこのアートを塗りつぶしてしまった後、シアトル市当局は、ついにこの愛されるストリートアートを撤去することはないと発表した。
このアート作品は、トランスジェンダーの誇りとレジリエンスのシンボルとなり、多くの市民に歓迎されている。
光の反射池を見下ろすように配置されたこのガラスタイル製のネズミは、市が所有するカレッターパークの建物を飾っている。
大きな無許可のアート作品は、教会のステンドグラスの窓のように見え、ネズミは天使の輪を持っている。
モザイクの下部には「ホットラットサマー」と文字が描かれている。
このアートの近くを通りかかったスカリー・マクコミスさんは、「今まで見た中で最も美しいモザイクだ」と語った。
ネズミの足元には、トランスジェンダーの旗のステッカー、コンドーム、トランスの人々への励ましのメッセージ、さまざまなネズミのフィギュアなど、さまざまな奉納品で飾られた祭壇がある。
アーロン・フリードマンさんは数ヶ月にわたりこのモザイクを訪れており、「この建物を華やかにし、訪れるたびに笑顔をもたらしてくれる」と語った。
このモザイクは昨年現れたもので、作成者は不明だが、市の広報担当者によれば、今年の6月までこの件は注目されていなかったという。
当初はグラフィティとして報告され、何度も塗りつぶされてしまったが、地元住民たちはモザイクを復活させるために塗料を取り除く活動を行った。
フリードマンさんは、このモザイクへの注目を集めるためにインスタグラムアカウントを立ち上げることを決意した。
彼がこのアートを初めて目にしたのは今年の初めで、塗装を除去する手伝いをしているときに、「これは美しい…なぜ誰かがそれを隠そうとするのか?」と思ったそうだ。
夏の間、市民たちは「ホットラットサマー」を覆い隠すのをやめるよう市に求めてきた。
7月には、シアトル市議会のジョイ・ホリングスワース議員とアレクシス・メルセデス・リンケ議員がモザイクを掃除するために訪れた。
現在、シアトル市長ブルース・ハレルの事務所は、「ホットラットサマー」を撤去することを追求しないと発表した。
このニュースは、多くの人々に歓迎されており、特にこのモザイクがトランスジェンダーの人々にとって重要な意味を持つためだ。
フリードマンさんは、「ネズミはトランスの愛、トランスの喜び、トランスの権利を象徴する存在だ」と述べている。
このアート作品は市全体で非常に人気が高く、地元のトランスアーティストたちが聖なるネズミを描いたお祈りキャンドルやTシャツ、トートバッグを販売するきっかけにもなっている。
キャピトルヒルに住むアシャンティ・ボヴォソさんにとって、「ホットラットサマー」を何度も覆われるのを見るのは辛い経験だった。
彼女にとって、このモザイクは少しの安らぎを与えてくれる場所なのだ。
ボヴォソさんは、「多くの人はネズミを見て、『なぜこれがトランス文化と関係があるのか』と思うだろう」と説明した。
「ネズミは決して消えない。人々は私たちを排除しようとするかもしれないが、私たちは常に存在している。だから私たちは皆、ネズミを愛するのだ。」
現在、市は「ホットラットサマー」を維持するための計画に取り組んでおり、アート作品の作者と正式に合意を結ぶことで、このモザイクを正式に認知するための方策を模索している。
画像の出所:knkx