最近のイスラエルとイランとの間の敵対行為が一時的に収束したことに、多くの国々が安堵のため息をついている。特に、インドと日本はこの影響を受ける国の一つである。
インドは、中東への利害関係が深い国である。一例として、インドは近年、イランとの関係を強化してきた。過去には、イランから原油を輸入していたが、西側の制裁の影響で最近はそれを停止している。
さらに、インドはイランのチャバハール港に多大な投資を行っており、これは中央アジアおよびアフガニスタンへのアクセスを提供する重要な拠点となっている。タリバンによるアフガニスタンの政権掌握前には、インドはアフガニスタンにおけるザランジ-デララム道路の建設を支援していた。この道路は、既存の道路を介してイランのチャバハール港と接続しているため、インドにとって非常に重要である。
パキスタンはインドに対して陸路アクセスを許可していないため、チャバハール港は特に重要である。また、チャバハールとザヘダン(アフガニスタン国境近く)を結ぶ鉄道網の開発計画もある。
中国の影響力を抑え込む観点でも、チャバハール港は注目に値する。チャバハールは、パキスタンのグワダー港からわずか90kmの距離にあり、中国は中国-パキスタン経済回廊の一環として、のり周辺の港を開発している。このように、中国との急速な関係構築はインドにとって大きな懸念材料であり、特にパキスタンとの衝突の際に、中国がイスラマバードに軍事技術を提供した事例がそれを裏付けている。
チャバハール港は、インド・ロシア間の輸送回廊プロジェクトにおいても重要であり、これによってインドのムンバイとロシアのサンクトペテルブルクがイランを介して結ばれる計画がある。もしイランで国内の不安定さが生じれば、これらの接続プロジェクトは重大な影響を受ける可能性がある。このような状況は、インドが中国主導の「一帯一路」イニシアティブに参加していないことを考えると、特に深刻だ。
これに加えて、インドはイスラエルとの関係も深まっている。特に防衛分野では、イスラエル製の防衛プラットフォームを用いており、最近のインドとパキスタンの衝突でもバラク-8ミサイルやハロップ・ロイター爆弾を使用した。さらに、インドは最近、ガザでのイスラエルの攻撃を非難する国連のいくつかの決議に対して棄権している。インドとイスラエルは、過去に多くのテロ攻撃の影響を受けてきたため、反テロ作戦での協力を進めている。
インドにとってのもう一つの課題は、自国の国民をイランとイスラエルから撤退させなければならないことである。また、インドには湾岸諸国に多数のインディアンダイアスポラが存在し、彼らはインドに大量の送金を行っている。
長期的に見ると、ニューデリーは再び戦闘が再燃した場合に多くの損失を被る可能性がある。イランに政権交代があった場合、現在の政府とのつながりを築くことが難しくなる可能性が高い。イランの不安定化は、インドの宿敵であるパキスタンにとって有利に働くことも懸念される。シーア派が多数を占めるイランは、スンニ派が多数を占めるパキスタンとの関係が良好ではないことにも注目する必要がある。
もしイランがホルムズ海峡を封鎖すれば、中東の原油出口がインドや日本に影響を及ぼすだろう。良いニュースとしては、インドが急速にエネルギー輸入の供給源を多様化している点が挙げられる。さらに、インドは、もし戦争が発生した場合には、イランとイスラエルとの間の仲介者として自らを位置づけることもできるだろう。
一方で、日本は中東からの原油依存度が高い。専門家の中には、マラッカ海峡が封鎖されれば、原油価格が120ドルから140ドルに跳ね上がる可能性があると予測している。日本は原油の約3分の4をホルムズ海峡を通じて輸入しているため、いかなる混乱も日本経済に大きな打撃を与える可能性がある。
日本は、アメリカに支持を表明しているが、これは、日本自動車部品への25%の関税を課したトランプ大統領の影響を受けたものである。また、イランに支援されたフーシが過去に国際海運を攻撃し、日本所有のタンカーも襲われたことがある。日本の海運会社にとって、これは危険な状況を意味している。
さらに注目すべきは、2011年の福島原発事故後に日本が原発を大幅に減少させたため、原油輸入への依存が増していることである。
インドと日本は、中東の危機を乗り越え、エネルギー供給源の多様化を進める必要がある。これは、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃以来続く中東の緊張から、長期的不安定性が懸念されるためである。
両国に共通するのは、中東の原油供給に混乱が生じれば、それが経済に大きな影響を与えるであろうということであって、エネルギーに乏しい国であるため、地域が手に負えなくなる事態を避けることが重要である。
画像の出所:japan-forward