Fri. Jun 27th, 2025

日本酒・焼酎・泡盛メーカー協会が主催する「国酒フェア」が、初めての試みとして大阪で開催されました。

このイベントは、これまで16回実施されてきた日本酒フェアと2022年からの本格焼酎&泡盛フェアを融合させたもので、2025年6月14日と15日の2日間にわたって行われました。

「国酒」とは、日本酒、本格焼酎(ポットスチルを使用したもの)や泡盛の核心カテゴリーを指しますが、麹を用いたその他の伝統的な日本のアルコール飲料も含まれます。

このカテゴリーを統合することで、協会は製品への関心の高まりを示しています。実際、わずか12ヶ月前に、日本の麹を用いた酒造りの伝統的な知識と技術がUNESCOの無形文化遺産に登録されました。

大阪で行われた国酒フェアには、国内外からの来場者が訪れ、1,149種類の日本酒が展示され、339の醸造所と45の都道府県から集められました。

また、302種類の本格焼酎と泡盛は、12の都道府県にわたる65の会社から提供されました。

このフェアは、日本のアルコールに対する期待感を示しています。JSSは、日本の伝統的酒が国内市場や日本のディアスポラだけにとどまらず、海外でも注目を集めていることを実感しています。

JSSの海外日本酒促進委員会の会長である宮坂尚高氏によれば、これには国際組織との提携が大きく寄与しています。近年、国際ソムリエ協会やフランスソムリエ協会と連携して、日本酒を世界に広めています。

「世界中には数万のソムリエがいて、その影響力は計り知れません。この取り組みをさらに強化して、酒類の輸出を拡大することが重要です」と語ります。

また、酒造メーカーは、伝統的な手法を超えた製品の幅を広げていることも強調しています。多様な選択肢が増え、酒造りは米の磨き方や米の品種、酵母の種類を変えて新しいスタイルを生み出す実験が進められています。宮坂氏は「日本酒はますます多様化しています。その未来は非常に明るい」と述べています。

一方で、本格焼酎はその伝統的なイメージを超えて、世界中のバーテンダーによって新たな利用が広がっています。もともと南九州や沖縄で食事と共に振る舞われていた本格焼酎ですが、今ではストレートやロック、カクテルでも楽しまれています。

国酒フェアでも、本格焼酎や泡盛のブースがバーとしてプレゼンテーションされ、受賞歴のあるカクテルとともに、訪問者がこれらのスピリッツを使った簡単な調合方法を学ぶ機会がありました。

「本格焼酎は、さつまいもや大麦、米、そばなど多様な原料から作られます。また、麹の種類、蒸留方法、熟成に使用する容器によって風味が大きく変わります。この多様性は海外のバーテンダーからも大きな関心を集めています」とJSSの焼酎推進委員会のメンバーである神祐介氏は説明します。

こうした海外向けの展示は、日本の酒類産業が挑戦と共に新たな機会を求める上で特に重要です。

日本酒の輸出は大きな成功事例となっています。2024年には、日本酒が80の輸出市場に進出し、輸出売上高は435億円に達し、2023年から6%増加しました。

しかし、原材料に関する課題も業界には存在しています。2024年以降、日本の米価格が急騰し、需給のバランスが崩れています。歴史的に、酒造米は収量が少なく労働集約的な生産のため高価格で売られてきたものの、食用米の価値が上がったために、生産者が酒造米から切り替えるケースが増えています。

一方、芋焼酎の生産者は、2018年に発見された根の病気による問題に直面しています。この病気と戦うために生産者は苦境に立たされ、収量を縮小せざるを得ない状況にあります。JSSによれば、農家にはより良い支援が必要です。

「私たちは政府に対し、価格を安定させ、長期的な供給を確保するための緊急措置を講じるよう求めています。今や米農家の平均年齢は69歳で、多くの人に後継者がいません。利益の見込みの薄さが主な要因です。」

「農業が利益を上げることができるようなシステムを作らなければ、日本の米作りと酒造りは崩壊してしまいます。これは緊急の課題です。」と宮坂氏は訴えます。

このような国内の圧力がある中で、JSSは出口を求めているのも無理はありません。海外市場は、日本の伝統的飲料の成長可能性を提供しており、製造が難しい時期でも明るい展望を示しています。さらに、国酒フェアの成功は、国内の意思決定者たちに対して、なぜこれほどの興奮を生む産業を放棄する理由があるのかを示す明確な根拠を提供しています。

画像の出所:thedrinksbusiness