Thu. Jun 26th, 2025

ワシントン(ロイター) – ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、2021年の打ち上げ以来、初期の宇宙についての貴重な情報を提供していますが、既知の太陽系外惑星に関するデータも収集しています。そして今、ウェッブは新たに発見した太陽系外惑星を報告しました。

この発見された惑星は、約110光年離れたアンティリア座に位置する太陽よりも小さい星の周辺を公転しています。この巨大なガス状の惑星は、土星とほぼ同じ大きさです。

これまでにおよそ5,900個の太陽系外惑星が1990年代以来発見されてきましたが、そのほとんどは間接的な方法で確認されています。これに対し、ウェッブが今回発見した惑星は、直接的な観測によって確認されたものであり、直接画像化された惑星は全体の2%未満です。

この惑星は、比較的に大きなサイズを持っていますが、直接観測によって発見された中では最も質量が軽く、前の記録保持者よりも10倍少ない質量を誇っています。これにより、ウェッブの機器の感度が示されています。

この発見は、ウェッブの中赤外線機器(MIRI)に取り付けられたフランス製のコロナグラフを使用して達成されました。コロナグラフは、星の明るい光を遮る装置です。

フランスの研究機関CNRS及びパリ天文台のアーン=マリー・ラグランジュ天文学者は、「ウェッブは、これまで観測することができなかった太陽系外惑星の質量と星からの距離に関して新しい窓を開いています。これにより、太陽系外惑星系の多様性を探求し、それらがどのように形成され進化するかを理解することが重要です。」と述べています。

新たに発見された惑星は、その母星であるTWA 7の周りを、おおよそ地球と太陽との距離の52倍の距離で公転しています。これは、太陽系の最も外にある惑星である海王星が地球から約30倍の距離を公転していることを考えると、その距離がどれほど大きいかを示しています。

太陽系外惑星を発見する際に用いられるトランジット法は、星の前を惑星が通過する際にわずかに星の光が暗くなる現象を観測するなど、主に近くの絵に対して有効ですが、今回のように遠くにある惑星に対しては画像化が不可欠です。

この誕生したばかりの惑星は、おおよそ600万歳で、私たちの太陽系の年齢である約45億年に比べて非常に若いです。

観測された角度が非常に特異であるため、研究者たちは周囲の物質が形成している構造を詳細に観察できました。その構造には、岩や塵から成る2つの広い同心円状のリング構造と、惑星が存在する一つの狭いリングがあります。

現在のところ、惑星の大気の組成についてはまだ不明ですが、今後のウェッブの観測によって明らかになる可能性があります。また、この惑星がまだ周囲の物質を集めて質量を増やしているかどうかも定かではありません。

最も小さい質量を持つ直接画像化された惑星であっても、地球型の岩石惑星とは異なり、生命が存在する可能性を考える上で有望な候補とは言えません。それでも、ウェッブの近赤外線および中赤外線観測能力を駆使しても、地球サイズの太陽系外惑星を直接観測することはまだできていません。

アーン=マリー・ラグランジュ氏は、「今後、地球のような惑星の直接観測プロジェクトや生命の兆候を探すプロジェクトが現実のものになることを期待しています。」と述べています。

画像の出所:yahoo