東京(MaceNews) – 自民党の初の女性党首として10月初旬に就任した高市早苗氏は、長年の連立相手である公明党の突然の離脱に直面し、重大な局面を迎えている。
この予期せぬ分裂は、日本の株式市場、国債市場、そして通貨市場における不安定性を増長させる可能性がある。高市氏が日本初の女性首相となるとの期待が高まり、株価は上昇したが、債券には圧力がかかった。
高市氏が自民党の党首選に勝利してわずか1週間後、日本の政治状況は未知の領域に突入した。自民党は、26年間の安定を支えてきたパートナーを失った。
連立解消
公明党は10月10日に自民党との連立を突然離脱し、選挙資金に関するスキャンダルへの対応が不十分であると自民党を非難した。この状況は、高市氏がスキャンダルに関与した議員たちに対する処罰を行わないことを発表した後に悪化した。特に、彼女が強力な執行部副幹事長に萩生田光一氏を任命したことが影響を与えた。
萩生田氏は、故・安倍晋三元首相が率いた派閥の元幹部であり、政治的なスラッシュファンドのスキャンダルに巻き込まれていた。彼は法律で要求されているにもかかわらず、2,700万円(約17万7,000ドル)の政治資金を報告しなかった。その結果、2024年4月に自民党から1年間の停職処分を受けた。
公明党の斉藤鉄夫党首は、NHKの政治トークショー「日曜討論」に出演し、企業や団体の政治献金に関する規則を厳格化するために自民党および主要野党の立憲民主党との議論を希望していると述べた。
次期首相に関する不確実性
公明党の離脱により、高市氏が自民党の初の女性首相となる可能性は不透明になっている。分裂により、野党が単一の候補者に団結することを促進するかもしれない。次の国会投票は10月下旬に予定されているとされており、初めは10月15日に行われる予定だったが、後ろ倒しされる見込みである。
立憲民主党は、高市氏への挑戦者として、ポピュリスト的な「国民民主党」の玉木雄一郎党首を支持する可能性を示唆している。玉木氏は、Xでの投稿で首相を務める準備ができていると述べ、立憲民主党からの支持を光栄に感じると語った。
国会が次の首相を選出するために開かれる際、野党は自らの候補者を指名することができる。最初の投票で過半数を得た候補者が勝利しなければ、上位2名が決選投票に進む。立憲民主党と国民民主党は、下院の175議席を占めている。自民党は196議席を占めており、過半数には37議席不足である。
下院では、維新の会が35議席、公明党が24議席、れいわ新選組が9議席、日本共産党が8議席、改革派が7議席、参政党が3議席、原税法保守党が2議席、独立系が6議席あり、議会全体の総席数は465議席である。
株価下落、円高、日銀は様子見
ニュースが伝えられた金曜日、市場は動揺し、円が変動し、日本の経済見通し、日銀の次の動き、そして日本の首相の急激な交代に対する投資家の不安が高まった。
高市氏の自民党党首選挙での当選は、短期での金利引き上げへの期待をしぼませ、株価を押し上げ、円を弱含ませた。彼女は、安倍氏の「アベノミクス」政策に強く支持を表明していることで知られている。
進行中の政治的混乱により、日本の資産や円に圧力がかかると予想される。しかし、高市氏の政策姿勢を背景に円が売られていたため、短期的には円の買い戻しが見込まれる。債券には買いが集まり、株式は退潮する可能性がある。
日銀がこのような大規模な政治的混乱の中で金利を引き上げることは難しいと考えられる。中央銀行は、10月29〜30日の政策会合で現状維持に留まると予想されており、米国の貿易政策や日本の政治状態に絡む不確実性が影響している。多くの経済学者は、次の金利引き上げが12月が早く、より可能性が高いのは来年初めだと考えている。
画像の出所:tradingview