ストックホルム — ノーベル化学賞が、環境汚染の軽減や気候変動と戦うための金属–有機フレームワークの開発で、3人の科学者に授与された。
この賞を受賞したのは、白金触媒の専門家である鈴木淳(Susumu Kitagawa)、リチャード・ロブソン(Richard Robson)、オマール・ヤギ(Omar M. Yaghi)である。
ノーベル委員会のメンバーは、この発見を「ハリー・ポッター」シリーズに登場するハーマイオニー・グレンジャーの底なしの魔法のバッグに例え、外見は小さいが、その内部には驚くほどの量を保持できると語った。
今回の受賞に関して、委員会は「人類の最大の課題のいくつかを解決する手助けをするかもしれない画期的な発見」であると説明した。
鈴木は、プレスとの電話会議で、「私の長年の研究が認識されて光栄です」と話した。
また、ロブソンはオーストラリアのメルボルンの自宅から電話で、「とてもうれしいが、少し驚いている」と語り、85歳にしてこの名誉を受けたことについて「人生の後半にこのような大きなことが起こるのは、少し耐えられないことでもあるが、ここにいる」と述べた。
彼らの開発した金属–有機フレームワークは、乾燥した砂漠の空気から水を吸引したり、大気中の二酸化炭素をキャッチしたりすることができる新しい分子の構造を持ち、特に「永遠の化学物質」と呼ばれ、環境中の水から分離する可能性がある。これは、パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS)とも呼ばれ、長年にわたり存在してきた。
ノーベル化学委員会の会長、ハイナー・リンケは「金属有機フレームワークには、以前の予見がなかった機能を持つカスタムメイドの材料の巨大な可能性がある」と述べた。
ロブソンの研究は1989年に始まり、彼ら3人は別々に取り組んできたが、互いに発展的な成果をもたらしてきた。
現在の課題を解決するこの技術は、温室効果ガスの排出を抑えるための重要な役割を果たす可能性があり、金属有機フレームワークは新しい素材の設計や新薬の開発においても応用される見込みがある。
この分野の研究は近年っと見られるようになり、人工知能(AI)を使った新しい手法で分子を理解し、設計することが可能になった。
2024年のノーベル賞は、デビッド・ベイカー(David Baker)、デミス・ハサビス(Demis Hassabis)およびジョン・ジャンパー(John Jumper)に授与され、彼らは新しい薬やその他の材料の設計において、強力なテクニックを発見した。
この週のノーベル発表は、文学賞が木曜日に、平和賞が金曜日に、経済学賞が来週の月曜日に発表される予定である。
授与式はアルフレッド・ノーベルの命日である12月10日に行われる。ノーベルはダイナマイトの発明者であり、1896年に亡くなった。
画像の出所:npr