日本の政権を担う自由民主党(自民党)は、1955年に冷戦の最中に設立されて以来、政治力を獲得し維持することが党の統一を促進してきたが、今、かつてない政治的危機に直面している。
自民党は、時代の変化に応じてしばしば対立する政策を柔軟に受け入れ、イギリスの保守党のように、政策の選択肢を髄えさせることで、成功を収めてきた。
これまでの歴史において、党の指導者たちは、アクティブな国家の支持者や経済自由主義の推進者など、異なるアプローチを取ってきたが、現在、党としての団結を保つことが難しくなりつつある。
首相の石破茂が9月7日に辞任の意向を表明したことから、自民党は、政府の効果的な運営が可能か、内部対立を乗り越えて国民の信頼を取り戻すことができるかを再考する必要に迫られている。
この危機の原因は三つ挙げられる。まず第一に、長期にわたる政治腐敗スキャンダルが、自民党内に存在する安倍派に対する信頼を損なったことが挙げられる。
次に、国内の生活費危機が深刻化し、高いインフレと低い円相場が輸入価格の急騰を引き起こしている。日本のインフレ率は約3%と、他の国に比べて低いが、長期的な低成長を経験してきた国にとっては高い水準である。
最後に、トランプ政権が導入した攻撃的で取引的な外交政策が自民党にとって特に目立つ問題である。
石破首相は、これらの複雑な状況をうまく管理できず、新たな政策を見出すことに失敗した。特に、生活費の高騰を抑えるための政府が計画した低所得家庭向けの直接支払いの補助金制度が人気を得られなかった。
選挙が迫る中で、彼の支持率は19%と低下し、政治の選択肢が狭まっていった。7月、政府とその連立パートナーの公明党は参議院選挙で過半数を失った。この結果、石破の下で自民党内部に信任の危機が生じた。
石破は独立した立場を持つ党の外部者であり、米国との関税交渉の成功を挙げて辞任に抵抗したが、政治的圧力から逃れられなかった。四人の党幹部が同時に辞任した後、元首相の麻生太郎が石破に辞任を促したことで、彼は結局辞任を決断した。
自民党は過去にも危機を乗り越えてきたが、今回は異なる要因が存在する。
第一に、新たなポピュリズムの政治運動が日本で台頭していることである。2020年に設立された新しいポピュリスト党「賛成党」は、選挙で驚くべき成果を上げ、支持を広げている。
この党は、反移民政策やエリート反対、国粋主義的な立場を掲げており、特に若年層からの支持を得ている。
第二に、アメリカの政策の変化が自民党に対する影響を及ぼしている。トランプ政権の取引的なアプローチは、東京との協力関係の伝統を傷つけつつあり、アメリカがアジアの同盟国に対する安全保障の保証を条件付きで行う可能性があると考えられている。
そして第三に、権威主義国家が自信を高めており、中国、ロシア、北朝鮮、イランの間での利害の一致が見られることである。これにより、日本は新たな外交的課題に直面している。
自民党の新しい党首選挙は9月22日から始まった。
候補者は、前回の選挙とほぼ同じ顔ぶれであり、主な候補は、政府の農業大臣である小泉進次郎と、経済安全保障担当の前大臣である高市早苗である。 小泉は若年層の支持を得られる可能性があり、高市は保守派の支持を受ける存在である。
新しい党首に選ばれる者は、党の統一を保ち、次回の下院選挙に向けた戦略を練らなければならない。特に、トランプ政権下での外交政策は、アメリカとの関係構築を必要としているが、新首相はソウルとの強い関係を築くことが重要である。
新たに選ばれるリーダーは、国際的な課題に対して柔軟な戦略を考案する必要があり、過去の成功と失敗から学ぶことで、日本の今後のための景気回復のビジョンを持たなければならない。
画像の出所:engelsbergideas