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2023年8月25日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領と韓国の李在明大統領はワシントンで首脳会談を行い、李大統領にとって就任以来初の主要な外交課題となりました。

この会談の背景には、貿易摩擦の激化や冷戦時代の地政学的なブロックの再生があり、李大統領がアメリカとの関係をどのようにナビゲートするかについて、ソウル国内外で懸念が高まっていました。

李大統領の外交政策に対する疑念も根強く、就任前後には中国寄りの姿勢や、日本との歴史問題に関する緊張の再燃が懸念されました。

しかし、会談に対するアメリカでの反応はこれらの不安を和らげ、専門家やメディアは、予想以上に安定した手腕を持つことを評価しました。

会談では、李大統領が米韓同盟の「鉄壁」を再確認し、安保関係だけでなく未来志向の関係に発展させる意向を表明しました。

また、李大統領は、韓国がアメリカの安保政策に基づいて行動しなければならないと強調し、中国との一定の協力の必要性を認めつつも、アメリカの核心政策から逸脱するような決定は下せないと述べました。

さらに、米韓の関係を新たな分野に拡大することも議題として取り上げられました。

特にアメリカの造船業のRevampにおける韓国の役割が注目され、アメリカの造船能力は1980年代以降、一貫して低下しているのに対し、韓国の造船業は中国に次ぐ効率を誇っています。

2024年には、韓国の造船会社ハンファ・オーシャンがアメリカ海軍の契約を二件取得し、フィリー造船所を買収しました。

また、両国は1500億ドルに上る投資パッケージの一環として、アラスカLNGパイプラインや民間核エネルギー分野での協力も拡大することが期待されています。

会談の中で北朝鮮との再接触の可能性についても話し合われました。

トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩委員長と「素晴らしい友好関係」を築いていると述べ、停滞している交渉を復活させる意欲を示しました。

李大統領は、この点において韓国がトランプ大統領の自称「和平製造者」としての役割を補完する「和平者」としての立場を強調しました。

とはいえ、首脳会談には依然として不確実な要素が残っています。

トランプ大統領の外交政策は積極的ですが、予測不可能な側面も多く、地域の安定に影響を及ぼす可能性があります。

李大統領の就任以降、アメリカの高官たちが各国に対し、インド太平洋戦略における責任をより多く負ってもらうよう求めていることも、複雑な要因です。

また、北朝鮮の側面も緊張しています。両首脳は金正恩に再接触する意欲を示したものの、北朝鮮がテーブルに戻るためのインセンティブは減少しています。

ロシアのウクライナ侵攻以降、北朝鮮はモスクワにより接近し、ソウルやワシントンとの関係を弱めています。また、前任の左派文在寅政権が意味ある結果を出せなかったことも、韓国の仲介者としての信頼性を損なっています。

画像の出所:japan-forward