ロサンゼルスの美食シーンにおいて、韓国料理の高級バージョンが新たに登場しました。レストランKiは、シェフのKi Kimが日本の寿司レストランSushi KaneyoshiのオーナーであるYoshiyuki Inoueとの提携で誕生した、独立した新しい高級レストランです。シェフキムは、ニューヨークとサンフランシスコのミシュラン星付きレストランでの経験を生かし、そこで得た技術と独自の韓国料理のアプローチを融合させています。
ロサンゼルスで近年、韓国料理の高級料理に対する需要が高まる中、レストランKiは特に注目されています。Ki Kimは、Kinnというレストランを経営していた経験があり、こちらでは非常に意欲的な料理を提供していました。
しかし、Kinnでは、料理のポーションが小さすぎるとの批判を受け、最終的に閉店を余儀なくされました。Kinnが提供していた料理は、視覚的には美しいものでしたが、特に空腹感を満たすほどの量ではなかったのです。
その後、Ki Kimは、VespertineとMeteoraという2つのミシュラン星付きレストランで深い経験を積み、ついにレストランKiをオープンしました。ここは、その薄暗い地下にあるミニマリストなシェフのカウンターで営業しており、一定の価格 ($285) のため、今やロサンゼルスの贅沢なダイニング体験の中で新たなスタンダードになりつつあります。
レストランKiでは、13品以上の料理が提供され、すべてがシーズンごとの素材を中心に構成されています。Ki Kimは、韓国の伝統的な料理技術とフランス料理の技巧を融合させ、他にはない体験を演出しています。
たとえば、スモークトマトを使用したサーモン・ロースと、韓国の風味を感じられるペリラリーフのソルベの組み合わせは、自然の美しさを強調する独特なプレゼンテーションに仕上がっています。高級食材の枯れていく葉を用いた器の構成も、Ki Kimの過去の経験に由来しています。
また、Kinnの名物であったタコ料理は、よりボリュームアップして再登場。新鮮なシトラスとタコの頭のアイオリが添えられた一口サイズの料理となり、一層洗練されました。
このようにしてレストランKiは、韓国料理の新しい進化を目指す上で、他のレストランと一線を画しています。特に食材の組み合わせにおいて、例えば、ラズベリーの風味を加えたロブスター料理は、一見すると珍しい組み合わせですが、実際に韓国料理における甘味を思い出させるものとなっています。
さらに、レストランKiでは、シェフ自らが考案したシャーベットやアイスクリームサンドイッチも、訪れる人々にとって楽しみの一つです。特に最近追加されたオミジャ(五味子)を使ったデザートは、素晴らしい味わいを提供しており、プレゼンテーションや味わいにおいても印象が残ります。
レストランKiの体験は、一人のシェフの成長の集大成とも言えます。Ki Kimは過去数ヶ月で変化を遂げ、より多くの料理の選択肢やボリュームが出てきたことで、訪れる際の幸福感は格段に向上しました。
ロサンゼルスの高級韓国料理シーンは、未だ日本やフランス、イタリアの料理に比べて認知度が低いかもしれませんが、レストランKiはその状況を変える可能性を秘めていると感じます。シェフライクの創意工夫と共に、レストランKiは韓国料理のさらなる進展を遂げる場所の一つとして、今後が楽しみです。
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