韓国の監督イ・サンイルによる映画「ナショナル・トレジャー」が、日本での驚異的な興行成績を収め、国内公開が今年後半に決定した。
原作は日本の著名作家吉田修一による小説で、主演には吉沢亮が名を連ねており、多くの期待が寄せられている。
日本での公開から73日で747万人の観客を動員し、興行収入は105億円(約987.78億ウォン)を超えた。この成績は、日本映画史上3番目に高い興行成績にランクインし、1998年の「踊る大捜査線」や27年ぶりに刷新された記録となる。
物語は、高度経済成長期に生まれた主人公・橘菊雄(吉沢亮)が歌舞伎の家に引き取られ、’命がけの修行’に青春を捧げる過程を描く。
この作品は、伝統的な芸術が血筋や継承、労働、そして規律と結びついている現実に立ち向かうことで、アーティストとしての誕生の瞬間を捉えている。
イ・サンイル監督は、在日韓国人としての多面的なアイデンティティを持ち、伝統的な歌舞伎の形式美と現代の産業論理が交差するキャラクターの心と身体を見つめている。
カメラは、アートの’形’を尊重しながら、その形を維持するために払われる代償や孤独を丁寧に照らし出す。
この結果、’ナショナル・トレジャー’と呼ばれる個人の才能と、それを可能にした時代、システム、家族の構造が明らかにされる。
主演の吉沢亮を筆頭に、横浜流星や渡辺謙、子役の黒川惟人など、世代と境を超える豪華キャストが揃った。
制作チームには『キル・ビル』の美術や『人生の約束』の撮影を手掛けたスタッフが参加し、舞台と日常生活の境界を繊細に広げている。
鏡の前やカーテン、道具、そして影の質感など、舞台裏のミザンセーヌが歌舞伎の意識や身体を生き生きと画面に描き出している。
歌舞伎は単なる’観る’パフォーマンスではなく、世代や家族によって受け継がれる’生きている’アートである。この映画は、その特異性を成長の普遍的な物語に翻訳している。
主人公が修行を通じて自らの’声、息、視線’を創造する姿が描かれ、労働の尊厳やアーティストの倫理といった、韓国の観客にも馴染み深いテーマへの共感を呼び起こす。
今日の文脈における伝統の意味について考えさせる本作は、興行成績を超えて印象に残る作品となっている。
日本での長期的な成功を踏まえ、「ナショナル・トレジャー」の国内公開が今年後半に決定し、伝統芸術をテーマにした真剣なドラマの可能性を広げる作品として評価されている。
日本での実績に加え、韓国の観客が’アートの労働’や’アーティストの倫理’について考察する道筋を提供すると期待されている。
公開後には、キャストの韓国訪問や伝統芸術と映画のコラボイベントも期待され、さらなる議論を広げることが予想される。
「ナショナル・トレジャー」は、今年後半に国内の劇場で観客と出会う予定で、具体的な公開日や上映情報は、配給元の発表を通じて順次発表される予定である。
画像の出所:cineplay