7月20日の参議院選挙で自民党が敗北したことは、日本の政治に前例のない危機をもたらした。
首相の石破茂は「国家政策に混乱を招かないことが重要」として辞任を否定しているが、彼の立場は明らかに弱体化している。
国政の上院での過半数を失ったことは、2024年10月の総選挙の後の挫折を追認するものであり、一見すると平穏に見える社会に潜む不満の表れである。
小規模な右派ポピュリスト政党・選択肢の台頭は、その不満の症状である。
予想に反して、そしてそのリーダーたち自身の驚きに、選択肢は参議院選挙で14議席を獲得し、248議席中15議席を有するに至った。
日本の民主主義は、これまで海外の観察者を驚かせてきた安定性にひびが入る可能性がある。
アメリカやヨーロッパで起こった変革に似た危機が訪れるかもしれない。
制度への信頼の危機、右派ポピュリズムの台頭、偽情報の拡散がその要因である。
自民党は、1955年以来、1993年と2009年から2012年の二度の短い中断を除いて政権を握ってきたが、現在深刻な弱体化を遂げている。
結党以来、リベラル、保守、国家主義的右派の異なる流れを集めてきた自民党の多様性は、その強さでもあった。
しかし、党内の各派閥がそれぞれの選挙基盤を支え合い、裏で妥協を重ねることで、他の党に対抗するための団結を維持してきたが、その独占はついに限界に達した。
労働者層の間に広がる怒りも見逃せない。
保守層の有権者が自民党に対する信頼を失いつつある中、2023年に明らかになった政治資金の不正利用などのスキャンダルに対する怒りが高まっている。
また、不安定な雇用環境にある若者やシングルマザーなど、生活が厳しい人々の不満もある。
彼らは厳しい家計の中で物価上昇に苦しみ、主要政党に見捨てられたと感じて、さらなる小規模ポピュリスト政党に流れている。
その狙いは、全体主義的なグローバリズムや外国人に対するスケープゴートに向けられている。
日本が1951年に主権を回復して以来、極右は政治の舞台にほとんど姿を見せなかった。
それは限られた保守的な人物の発言にとどまっていたが、今や選択肢のスローガンである「日本第一」が政治の場に登場してしまった。
背景には、中国の覇権主義的な野心や北朝鮮の脅威、そしてトランプ大統領の関税や防衛に関する要求がある。
石破首相は、これらの問題を使って可能な限り政権の座を維持しようとしているが、彼の純粋な防御的な立場は何も解決しない。
画像の出所:lemonde