1920年にマンハッタンのチャイナタウンの中心部で創業した名店ノムワーが、サマーリンのJWマリオットにラスベガス店をオープンする。
オーナーのウィルソン・タンは、この歴史あるティーハウスが現在も地元客を引きつけ、来るべき新たな展開を待ち望んでいる。
ノムワーは当初、月餅で知られていた。これは、中秋の名月の際に食べられる赤あんの入った重厚なペストリーで、1950年代まで人気を博していた。
その後、長年の従業員であるワリー・タンが経営を引き継ぎ、彼は手作業で月餅を製造していた。
ウィルソン・タンは、「私たちには手で彫刻した木製の月餅型がたくさん残っている」と語る。
1980年代にアメリカと中国の貿易が開かれると、小さなチャイナタウンのベーカリーは海外での生産によって競争力を失うこととなった。
それを受け、ワリー・タンはビジネスモデルを変え、ティーハウスへと変貌させ、今の形を築いた。
2010年にウィルソン・タンが叔父から経営を引き継いだ後、伝統的な点心のカートをやめ、注文ごとに調理するスタイルを取り入れた。
ウィルソン・タンは、「私たちは今、多くの機械を使って点心を作っています。そのおかげで、成長を遂げることができました」と説明する。
彼のアプローチは、他のレストラン、チャ・チャ・タンやサル・タンの展開にもつながり、冷凍餃子の製造にも乗り出している。
ラスベガスでは、ノムワーのスタンドでニューヨークの「全ての人気メニュー」を提供する予定だ。
具体的には、小籠包、豚肉の餃子、クリスタル海老シュウマイ、麺料理が含まれる。
もちろん、ティーは主要な飲み物として提供され、カクテルや他のアルコール飲料も楽しむことができる。
デザイン面では、ラスベガスの店舗は原宿を意識し、ビンテージ木製のアクセント、モザイクの床、チャイナタウンのフラッグシップにある赤いバースツールが配置される。
ウィルソン・タンは、西海岸への拡大を目指した理由について、ラスベガスとニューヨークの共通点が多いことを挙げている。
「マリオットのようなメジャーホテルブランドとのコラボレーションは大変魅力でした」と彼は語る。
ストリップエリアも魅力的だが、もはや自分に合わないとのことだ。
レストランが百年を迎えることは稀なことであり、特にニューヨークでは、店舗が一夜にしてオープン・クローズすることが珍しくない。
ウィルソン・タンは、ノムワーが長寿を誇る要因には運やタイミングもあると考えている。
「叔父がその場所を購入したタイミングがよかった。ニューヨークのアイコニックな通りの一つです」と語る。
しかし、百年以上にわたって生き残るためには、単なる不動産の選択だけではなく、ジューシーな餃子や steaming tea などの味を提供し続けることが鍵だ。
今、その味が砂漠に向かって新たな一歩を踏み出す。
画像の出所:vegas