カリフォルニア州の共和党指導者たちは、トランプ大統領が州知事のギャビン・ニューサムの反対を無視して、ロサンゼルスに4000人の州兵と700人の現役海兵隊員を派遣したことについて、「適切な行動だ」としています。
トランプ大統領は、移民政策に対する抗議活動に応じてこの措置を講じましたが、カリフォルニア州はその命令に対して連邦裁判所で訴訟を起こしています。
トランプ大統領は自らが軍隊を派遣する権限を有すると主張していますが、法律の専門家や司法関係者は、この措置が州の主権を侵害し、連邦と州政府間の権力のバランスを傾けるリスクを警告しています。
カリフォルニア州の29人の共和党議員のうち6人だけが、トランプの部隊派遣を支持することを表明しましたが、他の議員は意見を避けました。
共和党指導者たちは、民主党の移民および犯罪政策、特に2017年の「聖域法」がトランプ大統領の手を強くしたと主張しています。
その結果、州の暴動や暴力の根源はこの法律にあると、モデストのマリー・アルバラド・ギル州上院議員は述べました。
彼らの主張によれば、トランプ大統領はニューサム知事が州の不安定な状況に対処しないために、国の指導者として介入せざるを得なかったというのです。
共和党の指導者たちは、暴力的な衝突の映像がソーシャルメディアで拡散され、ニューサムと民主党が暴力を抑制できないという証拠であると主張します。
もちろん、もし民主党の大統領が赤い州に軍隊を派遣して州知事の上に立った場合、同じ意見が共和党員の間で共有されるのでしょうか?
この問いには答えを避ける議員も多く、「事例ごとに異なる」との意見が多く見受けられました。
カリフォルニア共和党がこの機会を捉えて移民と犯罪に関する民主党の政策を批判することは、過去の実績からも納得できますが、州権限を覆すような動きには懸念が寄せられています。
カリフォルニア大学バークレー校の政治学教授エリック・シックラーは、「憲法を策定した際に、当時の指導者たちが懸念していたのは正にこうした動態であり、トランプ大統領個人の意志だけでなく、彼の主張に賛同する党員が増えていることが問題だ」と分析します。
この動向は、2026年の選挙において共和党に悪影響を及ぼす可能性があります。発表された最近の世論調査では、トランプの移民政策やロサンゼルスへの軍派遣が、一般市民の間でますます不人気になっていることが示されています。
このような動きは、トランプが大統領になってからの共和党のポピュリズムが影響を及ぼしているのです。
加えて、トランプが派遣した軍隊の存在が、法的な専門家や一部の治安当局者にとって心配の種となっています。
法律的な根拠がないとされるトランプ大統領の軍隊派遣は、民間人に対する威圧感をもたらす可能性があり、状況をさらにエスカレートさせる危険があると指摘されています。
州共和党の指導者たちは、トランプ大統領の介入が必要だったと認めながらも、ニューサム知事がリーダーシップを発揮しなかったことが原因だとしています。
彼らは、街頭での暴力的なデモや抗議活動の映像を挙げ、これがトランプの軍隊派遣の正当化につながったとの見解を示しています。
また、他のものとして、1992年のロサンゼルス暴動を例に挙げ、当時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領が共和党のピーター・ウィルソン知事とデモクラットのトム・ブラッドリー市長の要請を受けて部隊を派遣した事例を挙げました。
しかし、その際の暴動はより深刻で、63人の死亡者を出した惨事でした。
トランプ大統領とその支持者たちは、ロサンゼルスが焼失する前に軍隊を派遣したことが死亡を回避したと主張しています。
しかし、最近の世論調査では、移民政策に対する民衆の見方が変わりつつあり、かつてトランプ大統領が提唱した対策に対して疑念が生じていることが示されています。
共和党の支援者たちがすでに受け入れている移民政策に対する強硬な姿勢が、今後の選挙で影響を与えるかもしれない、という見方が浮上しています。
カリフォルニア州の「聖域法」に対する批判も強まっていますが、その主張はトランプ大統領のインパクトを中心にするものであり、カリフォルニア州の対応が難しい事情を反映しています。
共和党議員の一部は、州政府が連邦政府と協力しなかったことが、トランプ大統領の介入を余儀なくさせたとして、その責任をニューサム知事に転嫁しています。
しかし、トランプ大統領の強行措置が必ずしも支持を得られるわけではなく、特にラティーノ票の支持を失うリスクが指摘されています。
かつてトランプ大統領の支持を受けたラティーノたちも、今や移民政策の過剰な厳格さに対して恐怖を感じているのです。
このように、トランプ大統領の軍隊派遣は、単なる移民問題にとどまらず、憲法上の問題や連邦政府の権限の過剰行使として捉えられています。
カリフォルニアの共和党議員たちの支持がトランプ大統領に向かう一方で、その支持がどれほど持続するのか、今後の議論に注目が集まります。
画像の出所:laist