Wed. Oct 29th, 2025

トヨタは「Mobility for All」を現実にするために努力してきましたが、製造の最前線に立つ中で、常に何かが少し違うと感じていました。

その何かは、私たちが「全ての人のために」と言い続けていても、実際には完璧にすべての人に当てはまる製品がないということです。

私たちが何かを作る際に考えるのは、「誰かを助けたい。誰かを笑顔にしたい」という思いです。

常に特定の「あなた」の顔を思い描いて、その顔を心に留めながらものづくりをしています。

「Mobility for All」が実現する日が近づく中で、「あなた」を思考の中心に置くことが、私たちのものづくりの精神、すなわち「ものづくり精神」を推進していることに気づきました。

このコマーシャルの終わりには、コロナが登場しました。

コロナは、私たちの「to you」を象徴するものであり、つまり特定の「誰か」のために作られた車です。

時代や人々の生活に合わせて、コロナは常に目の前の「あなた」のために変化してきました。

その見た目やボディタイプに関係なく、コロナはいつでもコロナであり続けました。

だからこそ、コロナはいつも「すべての人のための車」として存在しています。

これからもそのような存在であり続けるためには、コロナはどのように進化すればよいのでしょうか?

地球は広大で、世界は多様です。

道路も異なれば、エネルギーの現実も異なります。

しかし、私たちが共有している一つのことがあります。それは、「地球を大切に思う気持ち」です。

もう一つ共有している気持ち、それは「かっこいい車に乗りたい」という願望です。

バッテリーEV、プラグインハイブリッド、ハイブリッド、内燃機関の車両、どのパワーソースであっても、誰もが運転したくなる魅力的な車を作りましょう!

この車には、その実現に向けた数々の発明が詰め込まれています。

次にご紹介するのが、IMVオリジンです。

この車両を企画する際に、私たちが思い描いていた「あなた」は、アフリカの田舎に住む人々でした。

こうした場所に住む「あなた」を念頭に置いて、私たちはこの車両に2つの重要なアイデアを取り入れました。

1つ目のアイデアは、「未完成の状態でこの車両を生産工場から出荷する」ということです。

この車両は、運転できる状態になる前に工場を出ます。

それを完成させるのは地域の人々です。

これにより、組み立て作業という新しい地域の雇用が生まれます。

2つ目のアイデアは、顧客が車両を自分の言葉で定義することができる、ということです。

人を運ぶのか、それとも貨物を運ぶのか?

それとも、貨物には箱や何か別のものが入るのか?

私たちは基盤を作るだけです。

その後、各顧客が自分のニーズに合わせて車両を完成させるのです。

完成しないことが自動車メーカーとしてはフラストレーションの原因ですが、完成しないことが「あなたのための」車を実現するのです。

なぜなら、私たちの生活や仕事には異なるニーズがあるからです。

IMVオリジンは、「意図的な未完成」の概念に基づく再発明の挑戦を抱えた車両です。

次にご覧いただくのが、このコマーシャルです。

このコマーシャル、皆さんもつい口ずさんでしまいそうではありませんか?

私も舞台裏で歌っていましたが、マイクがオフで良かったです!

小さな車だからできること…

日本の道路を運転する際には、「この車が小さいおかげでラッキーだ」と思うことがたくさんあるかもしれません。

このコマーシャルに登場したのは、1950年代のミジェットです。

「小さい車が欲しい」と町の人々が言っているのを聞き、「それなら作ってみよう」と思いつきました。

これが独自の発明や「ダイハツメイ」を生むきっかけになったのです。

小さな車を作ることは非常に難しいです。

これは、自動車造りに関与してきた私が心から言えることです。

しかし、ダイハツはそんな挑戦をし続けています。

コマーシャルの最後に見られたのは、未来のミジェットです。

今も昔も、ダイハツの車作りはその道を進み続けています。

街に出て人々の声を聞き、困っている人に手を差し伸べることを考え、どうすれば小さくする技術を最大限に活用できるのかを考え続けています。有り余る知恵と独自性を詰め込んだミジェットXが生まれました。

さらにご紹介したいのは、K-OPENというコンバーチブルミニ車両です。

K-OPENの何が素晴らしいのか?

それは、後輪駆動であることです。

フロントエンジンのコンパクトなボディで後輪駆動を実現することは、本当に驚くべきことです。

エンジンを低く配置し、トランスミッションとプロペラシャフトを丁寧にパッケージし、すべてがこのボディにぴったり収まるようにペダルレイアウトを設計する必要があります。

説明に何時間もかけたいところですが、要するに、開発者たちの知恵と工夫が詰まっているのです。

先日、当社の会長であるトヨダアキオ氏がダイハツのマスタードライバーに就任することが報じられました。

彼はこのコペンをたくさん運転し、打ち破っていくことでしょう。

ダイハツの皆さん、トヨダ会長と一緒に車を作るのは簡単ではありません!

大変な旅の準備をしてください!

しかし、自動車メーカーとして、これ以上楽しい車の作り方はないと思います。

私は、このコペンがどんな車になるのか、本当に楽しみです。

ダイハツは、小さくすることに何ができるかを追求することで独自の発明ができると信じています。

私たちは、その強みを用いて「Mobility for All」に向けて共に進んでいきます。

さらにもう一つ…この「TO YOU」広告には、「もし行けないなら、モビリティがあなたのもとに来る」と書かれています。

モビリティは、単に誰かが乗り込んで走り出すこと以上のものです。

モビリティのもう一つの重要な役割は、「あなた」に近づいて何かを届けることです。

ここに登場しているのはKAYOIBAKOです。

段ボール箱が様々なサイズであるように、KAYOIBAKOも様々なサイズを持っています。

サイズは大きいものから小さいものまで…ダイハツが小さな箱を作り、トヨタが大きな箱を作ります。

冒頭で取り上げたのは、商業車の起源であるG1トラックです。

当時、私たちは自動車ビジネスへの挑戦を始めたばかりで、納品したトラックは次々と故障しました。

キーイチロートヨダ氏は、その都度すぐに現場に駆けつけたと言われています。

それこそが「顧客第一」の精神であり、キーイチロートヨダ氏は他にも2つの思いを抱えていたと思います。

1つは、現地現物のエンジニア精神で、状況を理解し改善したいという願いを持つために、自ら現場に足を運ぶことです。

そしてもう1つは、社会への思いであり、生活を止めてはいけない、そして日本をより良い場所にする必要があるということです。

この精神をしっかりと受け継ぎ、トヨタは商業車、つまり「運ぶモビリティ」の重要性を重んじ、育んでいく所存です。

「Mobility for All」「Act for Others」「TO YOU」「DAIHATSUMEI for me」…これらのフレーズが私たちの創造性を刺激し、車メーカーとしての情熱をもたらします。

これらの情熱が、より多様なモビリティの形を実現する原動力なのです。

たとえば、この「boost me」はどうでしょうか。

「もしこんなものがあったら、 mobility が実現します」という思いから、同僚たちがこのようなモビリティを拡張させるアイデアを提案しました。

また、「Kids mobi」も紹介します。

「もしこんなものがあったら、子供たちに新しい世界が広がるのでは?」というアイデアから、本格的な子供向けのモビリティソリューションが形になりました。

「誰か」、特に特定の「あなた」のことを考え、その人のニーズを満たすために探索する。

私たちは、「to you」の理想を追求することで、さらなる良い車を作っていきたいのです。

これが、みんなの幸せを生み出す道だと信じています。

時には発明が成功し、時には期待通りには進まないこともあります。

しかし、その困難こそが、やる価値があるものを作り出します。

それこそが、挑戦することの本質です。

世界中の「あなた」によって作り出される未来には、クルマと笑顔がその中心にありたいと考えています。

そのために、愛される楽しさ満載の車を作りたいと考えています。

車の未来を一緒に変えていきましょう。

この情熱を推進力にして、トヨタグループ全体が発明の挑戦を続けていきます。

ありがとうございました!

画像の出所:global