コロラド州の大学において、高齢者の活発な学びの姿勢が見受けられる。
この取り組みは、若い学生に混じって、人生の第2幕を迎えた人々が大学の講義を聴講することができる制度に支えられている。
例えば、コロラド大学ボルダー校の聴講プログラムでは、55歳以上の聴講生が多くを占めており、社会との接点を保ちながら知的好奇心を満たす場となっている。
Nivea Soto-Lightbourn氏は、かつてイタリア語を教えていた45歳以上の聴講生の参加を喜んでいたが、今では自らがその聴講生として新たな教育の機会を求めている。
彼女はポルトガル語や文学、ブラジルの先住民アートについてのクラスを受講しており、学びの場から得られる多くの刺激や出会いに感謝している。
「ただ教室に座って学ぶだけでなく、教授や若い学生との接触も非常にモチベーションになります。」と彼女は語る。
コロラド社では、55歳以上の高齢者向けに、大学の授業を聴講することができる様々なプログラムが提供されている。
このようなプログラムは、大学教育を受ける機会を得にくい中高年層にとって新たな学びの場を提供し、各自の関心や専門分野を広げるチャンスとなる。
大学の制度自体は成熟しており、CUボルダー校では2019年には365人が聴講生として登録し、その80%が55歳以上であった。また、このプログラムはCOVID-19の影響を受け、対面授業が一時中断したが、今もなお多くの聴講生が参加している。
経済的な負担も少なく、55歳以上の聴講生は1学期80ドルから受講できるため、多くの人々が参加する最初のステップとして手軽に始めることができる。
また、CUのChange Makersやダンバートン大学のRetirement Reimaginedといった、特に高齢者を対象としたプログラムも順調に成長している。
これらのプログラムでは、退休後の生活に向けた実践的な知見やコミュニティとのつながりを促進し、参加者は人生の次のステップを見いだす手助けを受けている。
Change Makersプログラムでは、参加者が自分自身の価値観や目標を見出す内容や、小さな実験を通じて新しい道を探求する機会を提供している。
このように、今の高齢者たちは、以前の世代とは異なり、より長生きすると同時に、人生の最終局面で新たな意味や目的を見出そうと急務に取り組んでいる。
高齢者の参加はまた、教室のダイナミクスにも影響を与え、若い学生たちとの間に新たな交流が生まれ、双方にとって教育環境が豊かになる。
CUデンバー大学の政治学部教授であるJim Walsh氏は、高齢者聴講生の参加によって教室が活性化しやすくなると述べており、「これが本来の教育の形だと思っている」と語る。
彼はまた、高齢者聴講生の参加が他の学生にもプラスの効果をもたらすことを確認しており、年齢が異なる学生同士のやりとりは、教育における貴重な機会を生んでいるとのことだ。
Gregory Walker氏も音楽関連のコースを教えており、音楽の歴史を学ぶことが世代間のつながりを生み出すことに寄与していると指摘している。
このように、大学の聴講制度は単なる学びの場ではなく、高齢者たちが出会い、交流し、知的な刺激を受ける貴重な場を提供していることが分かる。
高齢者が教育に参加することは、自らの成長や自己実現に寄与し、同時にコミュニティ全体の活性化にもつながる。
今後、このようなプログラムや制度は、ますます重要な役割を果たしていくことが期待されている。
画像の出所:coloradosun