Sun. Sep 14th, 2025

デンバーにあるブッキース書店からのスタッフの推薦を基に、今週は三冊の新しい小説を紹介します。

まずは、Thea Weiss著の『The Second Chance Cinema』についてです。

この小説は、霧に包まれた小道の終わりにある華やかな映画館が舞台となっています。

主人公のエリーとその婚約者ドレイクが夜の散歩中に偶然その映画館を見つけ、自分たちの過去の思い出がスクリーンに映し出されることにショックを受けます。

ドレイクは映画館が明らかにするかもしれない秘密を恐れますが、エリーは自分の過去を理解するためにもう一度足を運ぶことにします。

この物語は、彼らが結婚を控えた中で、お互いの過去からの秘密をどう受け止めていくかを描いており、ロマンチックでありながら大きなテーマも内包しています。

長年の脚本家である著者のThea Weissが初めて小説を執筆したこの作品は、心温まるメッセージが詰まっています。

次に、Michelle Guruleの『Thank You, John』を見ていきましょう。

この本は、学生ローンや家庭の問題に悩むクィアな作家志望の女性が、ある日「シュガーダディ(甘いパパ)」を見つけるところから始まります。

彼女は、資金の問題を解決するために、経済的自由を手に入れるための選択肢として、孤独で年配の男性から現金を受け取る関係を築くことになります。

彼女の家族は個性豊かであり、特に父親は宇宙人が支配する未来を信じており、家族のダイナミクスが物語の興味深さを引き立てています。

著者は、貧困から抜け出すためにどれだけの努力をしているのか、そしてその過程で感じる感情の波を私たちに届けてくれます。

この memoir(回想録)は、強いメッセージを持ち、教訓をもたらしてくれる一冊です。

最後に、Stan Yan著の『The Many Misfortunes of Eugenia Wang』を紹介します。

このグラフィックノベルは、12歳のユージニア・ワンが主人公で、彼女の誕生日にまつわる不運な出来事を描いています。

誕生日が「4」という数字に関連する中国の迷信のため、ユージニアはいつも誕生日を祝えませんでした。

しかし、今年は彼女が実際の誕生日にパーティーを開催し、憧れの男の子も招待する決意をします。

ところが、体育の授業中に靴が頭に当たってしまい、その影響で未来の不吉なビジョンが見えるようになります。

彼女は、母親の言っていたことが正しいのか、そしてその不安の正体を探らなければならなくなります。

この物語には、少しの恐怖と少しのユーモアが盛り込まれており、年齢に関係なく楽しめる内容です。

以上、デンバーのブッキース書店のスタッフが推奨する今週の新刊三冊は、それぞれ異なる視点から人間の心の奥深くに迫る内容となっています。

これらの本は、ただの娯楽作品ではなく、私たちの人生の次元についても考えさせられる深いメッセージを持っています。

もし興味がある方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

画像の出所:coloradosun