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2019年にトランプ大統領から解任されたジョン・ボルトン氏は、トランプ政権に対し公然と批判を繰り広げてきた。

最近のFBIによるボルトン氏の自宅およびオフィスへの捜索は、トランプ政権が自らの敵対者を法的手段で攻撃しているのではないかとする新たな懸念を呼び起こしている。

この捜査は、ボルトン氏の公職時代の活動を調査する一環として行われたものと見られる。捜索に先立ち、司法省はボルトン氏が機密情報を不適切に開示したかどうかを調査していたが、その後、調査は終了していた。

捜索の際、ボルトン氏は自宅に不在であったが、ワシントンのオフィスビルでFBIの捜査官と話をしている姿が目撃された。

ボルトン氏に対する捜索は、トランプ政権が自らの批判者をターゲットにしているとの懸念を強めるものである。

ボルトン氏は、最近のインタビューで、トランプ氏に異議を唱えた者が報復を受ける可能性があると語っていた。

その後、トランプ氏はホワイトハウス歴史協会を訪問中、ボルトン氏に対する捜索についての報道を見たことを明らかにし、司法省から報告を受けることを期待すると述べた。

彼はまた、自身が「最高の法執行官」であるとしつつ、捜査の詳細を知らない方が良いと発言した。

副大統領のJD・バンス氏は、ボルトン氏がトランプ氏を批判したためにターゲットにされているわけではないとNBCニュースのインタビューで否定した。

「犯罪がなければ、起訴することはありません。犯罪があれば、もちろんボルトン大使には法廷での機会が与えられるべきです。」とバンス氏は述べた。

司法省はコメントを控えているが、捜索の件についてはソーシャルメディアに暗示的な言及をしていた。

ボルトン氏は、トランプ政権の天然資源諮問委員として、17ヶ月間の任期を持ち、イラン、アフガニスタン、北朝鮮に関して激しい対立があった。

彼の著書『その部屋で起こったこと』は、トランプ氏を国家政策について重大に無知であるとして描写し、従来の外交政策と対立していた。

ボルトン氏は、トランプ政権下での自身の扱いや、機密情報の取り扱いに関して常に注目を浴びてきた。

その中で、ボルトン氏の弁護士は、彼が余計な懸念を与えないよう、著書に関わる機密情報は含まれていないとの判断を受けて進めたと主張する。

トランプ氏はボルトン氏に激しい批判を繰り返し、彼を「狂った」好戦派だと名指し、戦争を引き起こす危険性に言及している。

さらに、ボルトン氏には、2020年の米国による空爆に対する報復として、イランの工作員が暗殺を企図したとの報道もあった。

このような事件は、国家の機密情報の取り扱いが政治的に敏感な問題となっていることを示している。

ボルトン氏の捜索が行われた背景には、トランプ氏のマール・ア・ラーゴでの機密文書の捜索が関連しており、これはトランプ氏やその支持者の間に不満を引き起こしている。

過去にボルトン氏が政権内の批判者によってターゲットにされていたことを考えれば、今回の捜査はその延長線上に位置するものである。

ボルトン氏がトランプ大統領の下で振る舞った様子を見れば、今後の展開にも注目が集まるだろう。

このように、ボルトン氏の捜索は単なる法的手続きではなく、政権の対立とその影響を浮き彫りにするものである。

今後、トランプ政権とその批判者との関係は、さらなる緊張を迎える可能性が高いと言える。

捜査が政治的な意図をもって行われているとの疑問は、司法の独立性、法の支配や権力の分立といった観点で大きな問題を提起する。

特にトランプ政権下では、法の執行が政治的活動に利用される危険性が高まっている。

その結果、米国の民主主義と法による支配に対する信頼が揺らいでいる。

以上の現状を踏まえると、ボルトン氏の捜索は政治的な緊張を増長させ、トランプ政権の権力行使が引き起こす懸念を顕在化させることになったと言える。

ボルトン氏が今後どう行動するのか、これからの流れに注目が集まる。

画像の出所:fortune