北アメリカで最も古い山のマラソンレースであるセワードのマウントマラソンが、独立記念日を祝う盛大な観衆の前で、今年も1,000人以上のランナーが集まり、コースを登り降りする。
この「地球上で最も過酷な5km」とも称されるレースは、セワードの中心部から始まり、3,022フィートのピークを目指していく。
一昨年の大会で2度の優勝を果たしたオリンピック選手ホリー・ブルックスが、ライブストリームの解説を担当する。
ブルックスは、このレースの魅力について、出場者同士の仲間意識が非常に高いこと、観客の数、そしてこのレースがセワードのバーでの賭けから始まった歴史を挙げた。
「山の頂上がフィニッシュラインから見えるというユニークなコンビネーションが魅力的なんです。34度の傾斜を登り、滝のような急斜面を下っていく。このレースは、その全てを含んだ特別な体験」とブルックスは述べた。
今年の女子レースに目を向けると、昨年のトップ10のアスリートが9人も帰ってくる。
唯一、昨年の2度の優勝者であるハンナ・ラフルールが妊娠中のため不在である。
前年の勝者であるクレア・ローズは、レースの本命候補であり、50分の壁を突破した歴史上4人目の女性である。
他にも、23歳のケンダル・クレイマーや、45歳のメグ・イノクーマ、40代の3回マウントマラソン優勝者クリスティー・マーウィンが出場する。
各選手の実力も見ごたえがあり、競技者としての意欲が高いことでも注目されている。
クレイマーはアップヒルで強力であり、イノクーマは過去に3位、2位、4位を記録しており、勝利を狙っている。
また、3度優勝のクリスティー・マーウィンは昨年、けがから回復した後の記念すべきレースで5位に終わっている。
「その他にも、デナリ・フォルダガー・ストレーブル、エイプリル・マクアリ、ソフィー・ライト、ロージー・フォードハム、そしてバンクーバー出身のプロトレイルランナーでデビュー戦のカリー・マクリスタルといった素晴らしい競技者もいますので、素晴らしい女子レースになることでしょう」とブルックスは期待を語る。
男子レースに話を移すと、「デイビッド・ノリスに勝てる者はいるのか」との問いが浮かび上がる。
ノリス選手は今大会で、5連勝中であり、昨年は2分以上の差をつけて勝利した。
彼が今年勝利すれば6連勝となり、6回の勝利を誇る選手たちの仲間入りを果たすこととなる。
「彼は昨年、40分37秒という記録で勝ち、非常に簡単そうに見えました。今年は40分の壁を破れるのか」とブルックスは問いかける。
ノリス選手はトレーニングの一環として、舗装部分でのスピードアップを目指しているという。
さらに観客にとってこのレースの楽しさがどこにあるのか問われ、ブルックスはセワード中心部でのストリートの賑わいを語った。
「舗装部分は非常に激しいです。山の急斜面を、マウンテンバイク警官の後に続いて走る感じでしょう。トップランナーが近づいてくると、数千人の歓声が一気に響くから、急に盛り上がりが増す」と彼女は驚くべきシーンを描写した。
セワードのマウントマラソンは、観客のおかげで、競技者には特別な経験をもたらす。
競技者たちが狭い山道を進み、喜びと苦しみを体験していく中で、観客はその瞬間を見守る。
マラソンはただのレースではなく、セワードの地域を一つにし、歴史を肉付けしている一大イベントである。
画像の出所:alaskapublic