民主主義において、暴力が最大の敵であることには誰もが同意すべきである。恐ろしいテロ行為は、社会から排除されるべきだ。
アメリカの保守派活動家であり、ドナルド・トランプ大統領に近い存在であるチャーリー・カーク氏が、ユタ州のユタバレー大学で講演中に射殺された。
カーク氏は若い保守派の中で指導的な声を上げ、トランプ氏が2024年の大統領選に勝つ手助けをしたとして評価されていた。彼は9月7日に、三政党が主催するイベントで東京に出演したばかりだった。
カーク氏は、相当な距離から発射されたライフルの弾丸により首付近を撃たれ、命を奪われた。この犯行は、銃器に精通し、比較的高い射撃技術を持つ個人によって行われたと考えられている。
連邦捜査局(FBI)やその他の捜査機関が、この凶悪なテロ行為の真実を早急に明らかにしてくれることを願いたい。
トランプ大統領は、迅速にビデオ声明を発表し、「急進的左派の政治的暴力は、多くの無辜の人々を傷つけ、多くの命を奪った」といった挑発的な発言をした。
また、「何年にもわたり、急進的左派はチャーリーのような素晴らしいアメリカ人をナチスや世界最悪の大量殺人者、犯罪者に例えてきた」とも述べた。しかし、この発言は犯罪の背景が明らかになる前に行われた。
トランプ大統領自身も、2024年7月の大統領選挙集会中に狙撃の標的となったため、テロに対して怒りを抱くのは自然である。しかし、自身の政治的対抗者に対して感情的に反発する前に、まずは政治活動の安全を確保し、亀裂の生じた環境を鎮める努力が必要であった。
トランプ氏は、内務省長官に対し、2024年の大統領選挙での対立候補である元副大統領カマラ・ハリスに対するシークレットサービスの保護を9月1日付けで終了するよう指示したという。
これに対してロサンゼルスのカレン・バス市長は、「これは長い政治的報復行為のリストに続く、さらなる報復行為である」と非難した。
現職の大統領は、自身の政治的対立者の安全を保証する責任がある。もしトランプ氏がハリスへの保護終了を指示したのが事実であれば、その命令を撤回すべきである。
テロリズムは、連鎖的にさらなる恐怖を生み出す。新たな犯罪は発生する前に防がなければならない。
日本でも同様のことが言える。元首相の安倍晋三氏は、2022年の参議院選挙中に街頭演説中にテロリストに射殺された。その記憶は今も新しい。
また、2005年の衆院補欠選挙では、その時の岸田文雄首相に対し、パイプ爆弾が投げられるという事例もあった。
自由民主党が間もなく党の指導者選挙を行うにあたり、治安当局はこれらの事件を深く反省し、候補者を保護するための包括的なシステムを実施すべきである。
もはや、政治と社会が暴力にさらされ続ける現状を終わらせる時が来た。
画像の出所:japan-forward