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日本のミナミトリシマ島の海底で発見されたマンガンノジュールの鉱床が、260億ドルの価値を持つとされているが、新たな技術革新によってその価値が消失する可能性がある。

この発見は、公益財団法人「日本財団」と東京大学の調査によって明らかになったもので、東京から約1200マイル離れた海底5,700メートルの深さに、コバルトとニッケルを含む数百万トンのマンガンノジュールが存在する。

これらの材料は、電気自動車(EV)バッテリーの重要な構成要素であり、発見された鉱石は日本の国内消費量の11年間を賄うに足るとされている。

調査によると、約61万トンのコバルトと約74万トンのニッケルが発見され、これらは十分な経済的価値を持つ。

具体的には、1トンのコバルトは24,300ドル、ニッケルは15,497ドルと評価されており、総額として約148億ドルのコバルトと約114億ドルのニッケルに相当する。

合計すれば、その価値は262億907万7800ドルに達する。

しかし、最近の研究により、リチウムイオンバッテリー材料をより効果的かつ環境に優しい方法で製造する新技術が開発された。

マギル大学の研究チームは、米国と韓国の仲間とともに、コバルトとニッケルを使用せずにEVバッテリーのカソードを製造する方法を確立した。

新たなプロセスはエネルギー効率が高く、大量生産が可能であり、これにより低コストのバッテリーへの道が開かれた。

研究者たちは、粉砕や後処理を必要としない、同サイズで「高度に結晶化された」不秩序岩塩(DRX)カソード粒子を生成することに成功した。

これにより、粒子のサイズが均一で高品質になり、安価で信頼性の高いバッテリーの製造が可能となった。

加えて、新しく製造されたDRXカソードを使用した電池は、100サイクル後に85%の容量を維持し、従来の方法によるDRXの倍以上のサイクル寿命を誇る。

この新技術の採用が進むことで、コバルトやニッケルへの需要が減少し、日本の鉱床の260億ドルという価値が急落する可能性がある。

日本は年間約300万トンのノジュールを採掘する計画を立てているが、これらの価格が下がれば、経済に悪影響を及ぼしかねない。

また、この新技術は深海採鉱の環境への影響を軽減する可能性があり、専門家は深海採鉱が生態系に与える悪影響を警告している。

調査によれば、ミナミトリシマ沖での小規模な2時間の深海採鉱テストでさえ、わずか1年後に魚やエビの個体数が43%減少したという。

専門家たちは、深海における鉱物採掘は技術的に難しく、未発見の種を絶滅させるおそれがあると指摘している。

「日本財団」は、複数の日本企業と共同で鉱物を国内生産資源として商業化する計画を2026年に開始すると確認している。

画像の出所:unilad