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画像の出所:https://www.nippon.com/en/guide-to-japan/gu050001/a-heatstroke-prevention-and-treatment-guide-for-japan%E2%80%99s-humid-summers.html

日本の夏が年々暑くなっている中、熱中症のリスクが高まっています。今回のガイドでは、熱中症の予防、症状の認識、入院を必要としない軽度の症状に対する治療法について解説します。

夏の日本:ますます暑くなる

日本の夏は、地球温暖化や都市のヒートアイランド効果の影響で、年々暑くなっています。環境省によると、東京の平均年温は過去100年間で約3°C上昇しています。2024年の7月と8月では、80%以上の日が30°Cを超えるという異常な暑さが観測されました。夏の始まりを告げる梅雨も、ここ最近は局所的な豪雨が増え、湿度が高まっています。湿気の多い気候は日本の夏の特徴であり、熱中症の大きな要因となっています。

熱中症の原因

熱中症は、以下の要因の組み合わせによって起こりやすくなります。

1. 環境条件:高温、強い日差し、高湿度、風がないことなど。

2. 個人のリスク要因:高齢者や子供、肥満、糖尿病や心疾患などの慢性疾患、栄養不良、脱水症状(下痢)、体調不良(二日酔い、睡眠不足)など。

3. 行動に伴う要因:激しい運動、慣れない運動、長時間の屋外作業など、水分補給が難しい環境にいること。

雨の日の後は特に蒸し暑い日が続き、熱中症のリスクが高まります。通常の条件下では、人間の体は汗をかくことで余分な熱を皮膚から放出し、過熱を防ぎます。しかし、暑くて湿度が高いと、汗をかきすぎて体温調節が乱れます。体は水分と塩分を失い、血液循環が妨げられます。その結果、体内温度が上昇し、脳や他の臓器の機能が低下します。これらの症状は総称して熱中症と呼ばれます。

熱中症の兆候と治療法

体温調整がうまくいかない場合、さまざまな症状が現れることがあります。以下の症状は熱中症を示唆するものです。エアコンの効いた部屋や風通しの良い涼しい場所に移動し、まずは応急処置を開始してください。

軽度の症状:めまい、立ちくらみ、筋肉の痛みや痙攣、手足のしびれ、体調不良。

中程度の症状:頭痛、吐き気、嘔吐、疲労感、脱力感。

重度の症状:高い体温、意識喪失、無反応、全身のけいれん、直立歩行不可能。

軽度の症状は、現場での応急処置で対応可能ですが、中程度以上の症状については病院での治療が推奨されます。

自分で水分補給ができるかどうかは、その人の状態を判断するための重要な指標になります。密封されたペットボトルを開けられない、口に持っていけない、飲み込むのが難しい場合は、すぐに病院に運ぶべきです。自分で飲めない場合は無理に飲ませないでください。液体が気道に入る恐れがあります。

体を冷やそう!

まず、ベルトなどを緩めて衣服をゆるめてください。それから、凍ったペットボトルや同様の冷たいアイテムを使って、首の側面、脇の下、太ももの付け根など大きな血管がある部分を冷やします。多くの毛細血管が存在する手のひらを冷やすことも効果的です。冷たい物を持たせ、それを首などに当てさせるのもよいでしょう。水を肌にかけて、ハンドファンで風を送るのも有効です。

水分と塩分を補給

冷たい飲料は脱水だけでなく、体温を内側から下げるのにも役立ちます。水やスポーツドリンクを飲みながら、外部でも体を冷やしましょう。汗で失われた水分と塩分を補うために、塩キャンディーを舐めるのも効果的です。より重度の症状の場合、コンビニなどで入手できる経口補水液を飲むと、回復が早まります。

応急処置の後は、その人を少し休ませて、状態を確認します。症状が改善しても、無理をせずに安静にした方が良いです。症状が改善しない場合は、必ず医療機関を受診してください。

公式な熱中症警報

日本各地58の予報区域では、湿球黒球温度(WBGT)熱指数が33以上と予測されるときに熱中症警報が発令されます。警報に関する情報は、環境省の熱中症予防情報サイトで閲覧できます。

WBGTは温度、湿度、日射強度などの要素を用いて算出される熱中症予防のための熱指数です。この指数が28以上になると、熱中症の発生件数が急増します。

熱中症に対する予防措置を取り、安全な夏を日本で楽しみましょう。